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目に見えないもの

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 先日、2万5千人が参加したLAマラソンが開催された。大勢が集まるイベントがキャンセルになる中でのレース。6フィート離れるようにといっても、競技中はどうしても無理がある。ランナーがひしめいていた。
 新型コロナウイルスの影響で何か異様な状況になっている。観客のいない競技や球技、キャンセルになるコンサート。競技はできても選手の士気が上がらないだろうというような状態。検温するレストランも出始めた。シニアのアクティビティーも自主規制に入った。ウイルスは怖いが、この流れはもっと怖い。予防は大切だが、高齢者が家に引きこもらざるを得ない状況になれば、身体機能の低下など別の問題を招きかねない。
 日本行きを取りやめた人たちも多い。実は私もその一人。入国制限が出されたら困ると思ってやむ無くキャンセル。運航便のキャンセルなど航空会社や旅行社の損害は計り知れない。人が動かなければ経済活動も停滞する。中国、日本から感染者が出たということで、リトル東京も人出が減っているように見えるが、旅行者が減少している状況に単に比例しているとも見える。
 小東京交番に「リトル東京では皆がマスクをしているか? 薬局に行っても買えないが。交番のカウンターには消毒薬を常備しているのか? トイレットペーパーなどがないとニュースで見るがリトル東京は大丈夫か?」の問い合わせの電話があった。深刻な事態を聞きたかった印象がある。
 目に見えないウイルスだから、どこから入ってくるのか分からない。その脅威がより恐怖を募らせる。毎日、ニュースが罹患(りかん)者数、死亡者数、隔離されている人の数や場所を報じている。マスクは効果があるとかないとか。手洗い、うがいなど、できることをして予防に努めるしかない。公衆の中で平気で咳やくしゃみをするところにいる身、よく食べてよく寝て体調管理が自己防衛だろう。
 頭が痛いのは目に見えるもの。リトル東京に居着いているホームレスがいて、道路は汚し放題、悪態はつく。夜間だけの滞在で朝になったらさっと去るホームレスは何人もいたが、彼は違う。見えるものは目に余る、見えないと怖い。何とも困った。【大石克子】

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