こんなときこそ

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 世の中、コロナウイルスの話題がほとんど。毎日感染者数と死亡者数が更新される。先週は買い物も控えるように要請があった。加えてマスク着用も。買い物時のマイバッグも使えなくなった。刻々状況が変わっていく。
 国、州、郡や市から発せられる情報や要請は、正しく行き渡っているとはいえない。言葉の問題はもちろん、テレビやインターネットにまったく無縁の人もいる。高齢者は紙(新聞など)からの情報が一番なのだが、その紙も各戸に送るのは不可能。無料のデイリー新聞にはコロナウイルスの諸情報が分かりやすく書かれていたが、受け取れている人は普段よりは当然少なく、人づてに電話などで聞く内容は、伝言ゲームよろしく事実とは違ったり、誤解を招く言い方だったりで、逆に混乱を招く場合も。
 高齢者は生活不活発による健康への影響が懸念されると日本老年医学会が警鐘を鳴らしているが、あまり散歩している人を見かけないし、天気のよい日にベランダで日なたぼっこをしている姿も見られない。他の人と距離を取っての散歩はしていいし、食料品の買い物もいい。集まってでなければ体操もいい。自粛生活で体力筋力が落ちてコロナウイルスが収まった頃には動けなくなっていた、にならないように。
 曹洞宗北米別院禅宗寺の小島先生からのメッセージを引用させていただくと、人間の苦しみを取り除く最大の鍵が智慧(ちえ)。人間の歴史は三つの戦いの歴史だと言われている。食糧難、戦争、そしてウイルス(感染症)。ウイルスも天然痘、ペスト、コレラの流行があって1億人、数百万人死亡の歴史があった。1918年のスペイン風邪では数千万人が死亡。何億人もの命と引き換えに得られた医療技術と衛生知識と智慧を武器に今新たな未知のウイルスと闘っている。この智慧とは、実践と経験を通じて個々人が育んでいくもの。お釈迦(しゃか)様は布施、自戒、忍辱、精進、禅定の5つの実践から生じると説いている。苦しみ多い今こそ、一人一人が智慧を深め、全人類で力を合わせるときだと。
 自分勝手な行動をせず、流言に惑わされることなく、コミュニティーの智慧を結集して、この苦境を乗り切ることを願う。【大石克子】

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