ゼロに近づける努力

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 新型コロナウイルスの勢いを止めることができない。大打撃を受けた経済の巻き返しを図ろうと、各州で規制が緩和された。だが、緩和で気も緩んだのか、感染者数が増え続け特に大都市で急増し、何としても阻止しなければならない。
 行政は、独立記念日前に緩和し、市民に盛大に祝ってもらおうと、懸命な対策を講じてきた。だが、思いとは裏腹に、加州では花火の打ち上げ禁止、飲食店、映画館などでは屋内営業が再び禁止されてしまった。感染防止策と経済活動を両立させるかじ取りの難しさを学んだ。知り合いの和食店の日本人オーナーに電話したところ、言葉に詰まり落胆する姿が目に浮かび、掛ける言葉を探すのが難しかった。
 検査を受ける人が増えたから、と無責任な政治家の言い訳気味の説明を聞くと悲しくなる。感染者が増加傾向にある中で、危険を顧みず出歩く若者に感染者が多いらしい。これまで、重症化のリスクが高いお年寄りや学校に行けなかった子どもたちが自宅にこもってじっと耐えた努力は、何だったろうと問いたい。
 経済の停滞により職を失ったり、長い自宅待機でフラストレーションがたまったのか、パンデミックの原因をアジア系市民の責任と勘違いした一部の心ない人々が、ヘイトを繰り返しているという。これが、日本人が多く住む静かでいいイメージしかないトーレンスで続出し、ショック。アジア系へのヘイトはわれわれ日本人と日系人が関わる問題だけに、気を付けたい。
 1年延期となった東京オリンピック・パラリンピック。来週、2度目となる「開幕まで1年」を迎えるが、カウントダウンで盛り上げ、浮かれる気分には到底なれない。開催を危ぶむ声も聞かれ怖い。日本ではプロ野球やサッカーのJリーグで、徐々に観客を入れ始め、2場所ぶりに開催の大相撲も初場所以来の客を迎える。アメリカでも段階的に観戦試合に向けるというが、慎重に対応してもらいたい。
 新型コロナは「目に見えない敵」と表現される。だが、毎日更新される感染者数は目に見え、これをゼロに近づける努力しかない。【永田 潤】

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