解毒への長い道のり

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 最近のキーワードは「デトックス」。ついこの言葉が口から出てしまう。
 辞書によると「解毒」とか「体にたまった有害物質を取り除く」ということらしい。サウナやジムで汗をかいたり、ファスティングをしたり、腸にたまった宿便をたっぷり出したらできそうだ。
 でも私がしたいのは…ニュースデトックス、SNSデトックス、スマホデトックス、パソコンデトックス、デジタルデトックス。もはや病的に依存している気がして離れたくて仕方がない。
 こんなふうに強く思うなんて、そろそろコロナ疲れなのかも。ある専門家の話によると、今年はこの時期に5月病のような症状が出る可能性があるそうだ。なんだか当てはまっている気がする。
 コロナによって導入されたリモートワークはとても気に入っている。まさに「働き方改革」。ただ、オンとオフが分けづらいのが玉にキズ。共に働く仲間はそれぞれのライフスタイルがあり、時差もある。そうすると夜中や早朝にパソコンに向かうことも、長く連絡を待つこともある。スマホにメールやテキストが入ると、スーパーにいても、散歩をしていても、食事中でも、基本的にその場で読んですぐに返信してしまう。
 先日、週末を利用して近所の温泉に泊まりに行った。地元産のおいしいものを食べて、青々とした森を眺め、滝の音を聞きながら露天温泉に漬かっていい汗をかいた。自宅からヨガマットを持参し、部屋でヨガやメディテーションもした。
 よーし、心も体もデジタル機器からデトックス! と有言実行していたところ、仕事先から滞っていたメールが届いてしまった。月曜日のことが妙に不安になり、旅館から返信をしてしまう始末。せっかく目と耳も洗われて解毒しかけていたのに。自分が抱いてしまう不安にも相手のことも恨めしく思ってしまった。
 こうやって書きながら思ったこと。デトックスには自らの意識改革がまず必要だ。仕事のメールやテキストにはすぐに返信しなくても良い、土日は長々とニュースを見ない、ベッドにはスマホは持ち込まない、などのルールを作って実行しないと。そうでないと、私は一生「毒」に振り回されて生きなければならない。【中西奈緒】

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