高田興芳新住職が着任:地域日系社会から期待背負い

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西羅府仏教会

西羅府のお寺は着任した高田興芳新住職により息を吹き返した

 浄土真宗本願寺派西羅府(ウエストロサンゼルス)仏教会に新住職が着任した。ソーテルの日本街に近いこのお寺に着任したのは、前職で小東京の羅府別院開教使を務めた高田興芳(こうほう)住職。同時期に梅津広恵(こうえ)開教使補も西羅府に着任し、5カ月住職が不在だった寺院がフレッシュな新体制となった。これからの西羅府仏教会の展望について、高田住職に聞いた。

ウエストロサンゼルス地域の日系コミュニティーの期待を背負って着任した高田興芳住職

 高田住職は富山県出身。常光寺(1444年開山)の19代目として生まれ、1995年に浄土真宗本願寺派ハワイ教団の開教使として渡米し、2011年から北米教団のアリゾナで2年、ロサンゼルス(小東京の別院)で7年を経て、8月1日から西羅府の住職となった。
 2月に前住職が引退してから5カ月休止されていた日曜礼拝や祥月法要を、着任を機にズームとYouTubeで再開し、さらにダルマセンターの新設、お寺の修復、11月の寺院昇格70周年記念への準備と、新しいプロジェクトを進める忙しい毎日を送っている。
 米国各地での経験をもつ高田師にその違いや西羅府の印象を聞くと、ハワイや小東京では日本の先祖崇拝を意識するメンバーが多いのに比べて、「アリゾナのお寺では自分がみ教えをいただくことを意識するメンバーが多かった」と述べ、「パンデミックのためバーチャル以外では人に会えない状況が続いているが」と前置きしながら、「西羅府もアリゾナに似た傾向という印象」を持っていると話す。
 閉寺期間中、自分たちの寺院での礼拝を心待ちにしながら系列寺院のオンライン礼拝に参加するなどしていたお寺のメンバーは、再開の喜びを表す。現在仏教婦人会の会長で、同仏教会の理事長も務めたビバリー・ヤハタさんは「高田住職のおかげでお寺が生気を取り戻したことに感謝している」と着任を歓迎し、「お寺の課題は若い人をお寺に呼び戻し、年々減っている会員数を取り戻すこと。どこのお寺でも同じ課題に悩んでいる。その点でも高田住職のダルマセンターに期待している」と話した。

ズームとYouTubeを使った高田興芳住職(写真上)と梅津広恵開教使補(同真ん中)による日曜礼拝と祥月法要

 高田住職が新設するダルマセンターでは5、6歳の幼児期の子どもたちに始まって仏教の心を伝えると同時に、近くのUCLAの学生と協調する道を探り、新しい西羅府仏教会を作り上げていく。このプロジェクトには若い梅津開教使の働きにも期待がかかる。「礼拝を再開し、法事やお葬式も、お墓などお寺の外でのお勤めではあるが、亡き人をご縁として仏法を伝えることができるようになった。お寺の建物には明日から殺虫テントが張られ、その後は建物2階の教室を改修していく。新型コロナが終息し活動が再開できるようになったら、さまざまなクラスや勉強会、ヨガなどのアクティビティーにも力を入れていきたい。メンバーの中には日本語しか分からない人もおられるので、日語・英語の両方で行っていきたい」と高田住職は展望を話す。
 8月2日に同寺院の新体制を紹介したマービン原田米国仏教団総長は、「高田師の経験とバイリンガルの能力、梅津師の若い情熱が、西羅府に素晴らしい結果をもたらすことになる」と話し、「これまで他のどこのお寺にもなかった新しく、創造的で革新的な方法で、伝道を強化する機会になる」と期待を寄せた。
 ダルマセンターが主催するイベントとして、戦前戦後を経験した「静かなる世代(サイレントジェネレーション)」と表現される3人のシニアと、「ミレニアル世代」「Z世代」と表現される3人の若者による無料ウェビナー「仏教が如何にして私を70年以上にわたって支えてきたか」を、11月1日(日)午前11時から開催する。
 西羅府仏教会の新体制で、地域の日系コミュニティーに新たな活力が生まれることが期待できる。【長井智子、写真も】

ソーテル街から西へ1ブロックに位置する西羅府仏教会のお寺

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