生涯現役を貫いた名司会者

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 コロナパンデミックで在宅勤務となり、一つ良かったことは、家族がそろって夕飯を食べられるようになったことだ。時には残り物のリメイクであっても、温かい食事をみんなでいただけるのはうれしい。
 そんなわが家の夕食時、クイズ番組「ジェパディ!」を見ながら解答合戦をするのが恒例になっている。博学な夫は、チャンピオンでも間違える難問に次々と答えてみせて、子供からの尊敬レベルは日々上昇中。獲得金額を倍にできるデイリー・ダブルの質問が出ると、みんなで慎重に答えを考える。クイズは、日本関連の質問が出たり、子供がちょうど学校で習っている分野から出題される時もあり、みんなで参加できるのがいい。
 番組では毎回、前回放送時のチャンピオンを含む3人の解答者が対戦し、クイズに正解して獲得する賞金の総額を競い合う。これまでの放送回数はなんと8000回以上にのぼり、同じ司会者のもとで最も多く放送された長寿クイズ番組として、2014年にギネス世界記録の認定を受けている。
 平日毎日放送され、長年にわたってお茶の間を楽しませてくれたこの番組。その司会を、1984年から36年にわたり務めていたアレックス・トレベックさんが先月、80歳で亡くなられた。昨年春、ステージ4のすい臓がんであることを公表した後も、克服を目指して治療を受けながら司会を続け、視聴者らに勇気を与えていた。謙虚でスマートなジェントルマンは、決して知識をひけらかすことなく、解答者や視聴者を大切にしていた。その姿がもう見られないと思うと残念だが、こんな素晴らしい人生を送った故人のレガシーをたたえたい。
 番組のホームページでは、トレベックさんの遺志を継ぎ、ゲスト司会者を迎えて来年1月からも番組を継続させていくことが発表された。まずは、同番組の最高連勝記録保持者であるケン・ジェニングスさんがバトンをつなぐ。
 トレベックさん司会のラストエピソードが、年明け1月4日の週に放送されることも決まった。全国にいる大勢のファンとともに、名司会者の姿を目に焼き付けたい。【平野真紀】

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