救いの手、踏み出す一歩を奨励:日本語でも利用できるLTSC

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DV被害者を支援する非営利団体③

家庭内暴力は人種や経済レベルを問わず起こり得る。リトル東京サービスセンターでは日本語で相談ができる

 リトル東京サービスセンター(LTSC)でソーシャルサービス・ディレクターを務めるマーガレット・エンドウ・シマダさんもまた、家庭内暴力の被害で助けを必要としている人たちが一歩を踏み出すことを奨励している1人。「LTSCは、家庭内暴力の被害者を偏見の目で判断したり決めつけたりしない。ただ、救いの手を差し伸べる。それが私たちの使命だから!」と話す。【キャシー・ヤマモト、訳=砂岡泉】

 LTSCのウェブサイトには、日本人のためのドメスティック・バイオレンス・サービスと一時避難住居について記載されている 。LTSCには、日本語と英語を話すバイリンガルのソーシャルワーカーがおり、被害者の状況確認やアドバイスを行っている。「もしお子さんがいたり、精神的な問題や薬物乱用があったりする場合は、慎重に事を進め支援する」とシマダさんは説明している。
 ほかの団体と同様に、LTSCも、家庭内暴力プログラムを含むコミュニティー内のニーズ対応に追われている。
 そんな中、LTSCは長年にわたるコミュニティーへの貢献とサービス拡大を祝う「バーチャル40周年ガラ」を開催した。
 現在、同センターは、高齢者や子ども・家族のためのサポート、チャイルドケア、青少年と指導者のプログラム、高齢者と家族のための低所得者向け住宅、中小企業と起業家の支援、そして新しく完成したスポーツ施設「テラサキ武道館コミュニティーセンター」の運営を含む多彩なプログラムを提供している。

家庭内暴力は人種や経済レベルを問わず起こり得る

 シマダさんは、LTSCの設立者であるビル・ワタナベさん、坂本安子さん、エブリン・ヨシムラさんによって掲げられた同センターの使命を引き合いに出しながら、コロナ禍における状況を以下のように要約している。
「門をたたいた人には誰にでもサービスを提供するというのがLTSCの信念であり、たとえ資金があろうがなかろうが、どうにかしてサービスを提供する方法を見つけたいとしてきた、その思いは強く使命感にあふれている。コロナ禍にもかかわらず、多くの人たちが私たちの思いやサービスに賛同し、力になりたいと寄付をしてくれていることは、本当にありがたいと心から思っている」
 同センターの社会福祉課では、メンタルヘルスサービスや高齢者のサポートなど、さまざまな悩みに対応している。シマダさん自身も、社会福祉学修士と臨床ソーシャルワーカーの資格を持っており、これまで、アジア系米国人薬物乱用プログラム(AADAP)や、Keiroでの高齢者へのサービス提供、加えてコリアン・ユース・アンド・コミュニティーセンターでの勤務経験もあるという。
 また、家庭内暴力問題にも取り組んでおり、家庭内暴力や性的暴行、児童虐待に関する先駆的な活動を行ってきたロサンゼルスのセンター・フォー・ザ・パシフィック・アジアン・ファミリー(CPAF)ではスタッフのコンサルテーションも行っている。CPAFは、アジアおよび太平洋諸島系の住民(API)の被害者のために初のシェルターを開設している。
 LTSCは、CPAFに倣い、家庭内暴力の被害者が、1年以上入居可能な「コスモス」という一時住宅を提供。被害者たちは、入居中にカウンセリングを受けることができるほか、子どもの学校への編入手続きなど、独り立ちを見据えたさまざまな支援を受けることができる。
 しかし、シマダさんによると、「恥の意識」が、被害者の行く手を阻むこともあるという。
 「どんなつらい目にあっても、自分に問題があるので我慢しなければならないと思ってしまう人がいる。また、こんなことになっているのは自分だけで、ほかの人は完璧な人生を送っていると考える。もしかすると、言葉の壁もあるかもしれない 。このような思いでがんじがらめになってしまう」
 シマダさんによると、家庭内暴力は、人種や経済レベルを問わず起こり得るもの。被害者はあなたの隣人かもしれない。多くのケースに言えることだが、そばから見ているだけでは、人は何が起こっているのか本当に気付いていないのだという。
 仕事においては、困難で悲惨な状況に対処するストレスよりも、人を手助けできるやりがいの方が上回る、と話すシマダさん。「地域貢献や社会福祉、カウンセリングの仕事に就く人の多くは、人を助けることを心から喜んでいる部分が大きいと思う。自分がそう感じている限り、たとえ小さなことであっても、その喜びは精神の糧となり、やる気を起こさせてくれるから」
 また、パンデミックの中、さまざまな要求を受けて働く、ソーシャルワーカーや関係者に対して「私たちは、できる限りお互いに、支え合うように、分かち合うようにしている」と続けた。
 その例として、ロックダウンが始まった後、レインボー・サービスの相談者のために、70枚以上の布マスクを提供するため、ほかの非営利団体と協力したLTSCのソーシャルワーカーであるビビアン・リーさんの活動を挙げ、感謝の意を表している。
 さまざまな被害者支援団体の連絡先は以下のとおり。また各団体は活動資金のファンドレイズを常に求めている。
 ※レインボー・サービス 〜Everyone Deserves Respect, Love and Safety〜
 24時間ホットライン310・547・9349。
 ウェブサイトー
 http://rainbowservicesdv.org/
 レインボー・サービスへの寄付については、ウェブサイトに記載。物品の寄付は、電話310・548・5450まで問い合わせを。特に、乳児、幼児、子ども、ティーンエイジャー、女性のための新品・未使用の衣類や消耗品、家庭用品、食料品などを受け付けている。
 ※リトル東京サービスセンター
 電話213・473・3035、午前9時〜午後5時。問い合わせはソーシャル・サービスのスタッフまで。
 ウェブサイトー
 https://www.ltsc.org/assisting-people-need/
 ドメスティック・バイオレンス・プログラムへの寄付は、デペロップメント・ディレクターのシャロン・カメガイ—コシータさんまで。電話213・473・3030。
 ※センター・フォー・ザ・パシフィック・アジアン・ファミリー
 ドメスティック・バイオレンス・ホットライン800・339・3940。
 日本語およびその他のアジア言語での電話応対が可能。

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