ロサンゼルス市議会は功績をたたえ、オチさんに最大級の賛辞を贈った
マンザナの日系人強制収容所跡地を国定史跡に指定する運動に尽力したローズ・オチさん(左)
 公民権活動家、弁護士、そしてアジア系女性初のロサンゼルス警察委員として活躍し、昨年暮に他界した日系人タカヨ・ローズ・マツイ・オチさん(享年81)の功績をたたえ、ダウンタウンの交差点をローズ・オチ・スクエアと名付ける動議をロサンゼルス市議会が9日、満場一致で可決した。シティー・ニュース・サービスが伝えた。

 小東京1街とサンペドロ通りの交差点を「ローズ・オチ・スクエア」と命名し、オチさんを記念する標識を設置する動議はケビン・デリオン市議会議員が提案した。
 昨年12月13日に亡くなったオチさんは、数々の「ガラスの天井」を打ち砕き、国や地方自治の要職に就いた初のAPI(アジア&太平洋諸島系)女性として知られる。
 1938年12月15日にイーストロサンゼルスで生まれ、幼少期に第二次世界大戦中の日系人収容所を経験した。59年にUCLAを卒業、72年にロヨラ法科大学院を卒業した。
 ロサンゼルス市警では武力行使政策の策定に功績を残したほか、より多くの女性やマイノリティーの職員を採用した。

2017年の二世週祭でグランドマーシャルに選ばれ、パレードに参加するローズ・オチさん
 連邦レベルでは、マンザナの日系人強制収容所跡地を国定史跡に指定する運動に尽力したほか、88年に米国が収容者に対する補償を行った際には「レーガン大統領が演説でオチさんの名に言及した」と動議が伝えている。
 97年、ビル・クリントン政権下でアジア系女性として初めて連邦検事補を務めた後ロサンゼルスに戻り、2001年から05年まで、ロサンゼルス警察委員会に勤務した。ロサンゼルス市警はオチさんの死に際し、「同時多発テロ事件後の混乱の中で、また連邦政府との同意判決の初期段階において、非常に重要な役割を果たした」と功績をたたえた。 【訳=長井智子】

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