アジア系への差別撤廃を要請:大統領令を歓迎し、声明発表

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人権擁護市民団体「ストップ・AAPI・ヘイト」

人権擁護の市民活動団「ストップ・AAPI・ヘイト」のホームページ

 人権擁護の市民活動団体「ストップ・AAPI・ヘイト」は、アジア系米国人コミュニティーに対する差別撤廃に向けてこのたび発令された大統領令を受け、声明を発表した。

 われわれは、アジア系米国人コミュニティーに対する差別撤廃を目指し発令されたバイデン大統領による大統領令を喜ばしく思っている。新型コロナウイルスの感染拡大以来、数千人にも及ぶアジア系米国人から差別や迫害が報告されており、いまだに多くの人が不安と恐怖の中で生活している。人種や外国人への差別的な言動で知られた前大統領による政権が、われわれのコミュニティーを標的とした政策などを実施したことでアジア系米国人への憎悪があおられたことは憂慮すべきことだ。この大統領令はアジア系米国人にとって光である。これが大切な変化の始まりとなることを切に願う。

ヘイトの経験や目撃をした人への安全なアドバイスが日本語を含む複数の言語で受けられる

 今回の大統領令は、アジア系米国人コミュニティーにとって非常に重要な一歩であるが、平等な権利や相応の機会を享受するためには、さらに多くのことが必要となるだろう。
 われわれは、合衆国保健福祉省(DHHS)および新型コロナウイルス・エクイティー・タスク・フォースが異文化への理解や言語、心理などに基づくガイダンスの発行を行う方向性を支持する。いかなる文書にも「チャイナ・ウイルス」といったような、過去1年にわたりアジア系米国人コミュニティーがさらされてきた攻撃的な用語が含まれないこと、またこのような用語に関連する汚名を払拭するための教育を確実に行うための一歩となるだろう。
 また、司法省(DOJ)が差別や迫害に関するデータを確実な方法で収集し、ヘイトクライムや事件、ハラスメントに関連した問題についてわれわれと関るという方向性を支持する。さらにはアジア系米国人コミュニティーへの関与だけでなく、調査、民事訴訟、アウトリーチ、教育に十分な資金の提供を司法省に指示するように政府に強く要請したいと考えている。
 「ストップ・AAPI・ヘイト」はバイデン政権と協力しアジア系への差別撤廃に向けた骨太のプログラムを策定することを心待ちにしている。偏見や人種的プロファイリングに幕を引くために、一般への啓もう、地縁的な活動、被害からの回復と修復を図る政策を優先させたい。さらに、トランプ政権が実施した中国の留学生や研究者の渡航禁止、そして「WeChat」利用に対する政策を含む外国人差別の撤廃をバイデン大統領に望んでいる。

アジア系への差別に対処を
バイデン-ハリス政権に向け

 われわれは、バイデン—ハリス政権に対し、アジア系米国人への差別に対処するために、以下の項目について強く実現を求める所存である。
 1—差別を受けた個人のための人権擁護拡大
 1964年に制定された公民権法「タイトルII(第2編)」の適用は、ホテルやレストラン、娯楽施設に限定されている。議会は「公共の施設」の定義を広げ、AAPIが差別が行われる場所として報告しているスーパーマーケット、薬局、大型小売店、公共交通機関を含むように改正するべきである。さらに「タイトルII」で与えられる権利を「人種、肌の色、宗教または国籍」だけではなく、「性別、障害、民族性、性的指向」にまで拡大すべきである。
 

ストップ・AAPI・ヘイトは、反人種主義を強く訴えている

 2—「Jabara-Heyers NO HATE法」の可決
 法案は、当局によるヘイトクライムの調査と報告における差異を無くすことに加えて、アジア系米国人への差別対策において最も重要な課題、つまり州および地方の機関や法律業務サービスへの情報提供と支援の欠如に対処するものである。
3—米国司法長官にアジア系米国人への差別に関する調査と民事訴訟開始を指示
 「タイトルII」は、差別を受けた個人が訴訟を起こすことを前提としている。特に法的な支援を利用できない場合は、多くの時間と費用がかかる可能性があるため、実際には差別行為を止めることを請求する差止命令しか方法がない。公共の場で、差別的な行為を行っている個人や団体に対して民事訴訟を起こす権限を司法長官に与えることは、アジア系米国人にとって重要な意味合いを持ち、差別撤廃に役立つ可能性がある。
 4—米国公民権委員会へ、同会が2020年5月に行った勧告をくまなく実施するように指示する
 これにはアジア系米国人コミュニティーへの資金提供、研修、公民権保護および、差別に関する公聴会開催を含む。同会はコロナ禍における差別撤廃、特にアジア系米国人への差別に対処するための勧告を発表している。勧告は、全米の公民権事務所に人権擁護が通達され、人種や出身国などにかかわらず、全てのアメリカ人を守ることを伝えるように連邦政府に通達することが含まれていた。
 5—中国の科学者および研究者の人種的プロファイリング、特に司法省による「チャイナ・イニチアチブ」を終了させる
 近年、司法省の「チャイナ・イニシアチブ」プログラムは、連邦政府の法的機関や諜報機関、科学研究助成機関による中国人科学者に対する不当な攻撃と起訴に結び付いている。 
 6—法務省による差別被害からの回復と修復、および地縁的な活動の取り組みを支援
 「ストップ・AAPI・ヘイト」はコロナ禍におけるアジア系米国人差別問題に取り組む市民団体。アジア太平洋政策・計画評議会(A3PCON)、チャイニーズ・フォー・アファーマティブ・アクション(CAA)、そしてサンフランシスコ州立大学のアジア・アメリカ研究部によって設立された。同団体には、2020年3月19日〜12月31日までの間に、全米のアジア系米国人への差別や事件に関連する2808件の報告が寄せられている。オフィシャルサイトはwww.stopaapihate.org。日本語でも報告できる。【訳=砂岡泉】

アジア系に対する差別被害の報告を受け付ける「ストップAAPIヘイト」のウェブサイト。日本語でも報告可能

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