コロナとリスとフォスター法則

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 コロナ感染が始まり約1年がたつ。外出禁止令が発表された当初は恐怖感でほとんど屋内にこもり、離島の孤立状態だった。アパートの2階のベランダでリス出現に気付いたのもその頃だ。電線が隣接する建物、屋根、樹木などをエア・ハイウェイのようにそつなくつなぎ、界隈一帯を自由に動き回れる。ナッツを小皿に置くと、翌朝はきれいに平らげる。
 かまれないように近づいて観察する。5~6匹ほど代わる代わるやってくる時も。テリトリー争いか同時に出くわすと必ずどちらかを追い払う。各自異なる性格、体型、癖、特徴なども多少把握できた。窓越しからのぞきフレンドリーにすぐさま興味津々に寄ってくるのもいれば、絶対目を合わさず尻尾を振って威嚇し、凶暴にも網戸をかみちぎり穴を開け入り込もうとしたり、餌を隠したり、超早食いで喉に詰まらせ咳き込むのもいたり…まあ見ていて驚き癒やされる。脚の鋭い爪や毛皮は、野生の中でたくましく生きていく証を感じる。
 ところで「フォスターの法則」という1964年に発表された学説がある。島嶼化(とうしょか)、アイランド・ルールとも言われ、外から遮断され孤立した島に残されて生息する大型動物たちは、餌に限りがあるため、また天敵がいないため、体のサイズが矮小化(わいしょうか)する特有の現象が生じる。ロサンゼルス近郊の国立公園に指定されたチャネル諸島で、1994年に発見された化石から、大昔、大陸のマンモスと比べて、約半分の大きさのピグミー・マンモスが1万2千年前に生存していたと理論づけた。
 興味深いのは、小型動物も、天敵による捕食圧が減り、餌の競争も減り、体型を小さく保つ必要がなくなり、巨大化現象が生じるのだ。コモド島のコモドドラゴン(コモドオオトカゲ)がよい例だ。生存し繁殖の目的で環境に適して進化する自然淘汰の核心である。
 ちなみにリスの起源の方が人間より断然古く、発見された化石骨から、最初の人間の祖先つまり霊長類はリスのようだった、という研究結果もある。人間たちは地球に優しく、さまざまな動物たちとの共存が大切だと痛感する。【長土居政史】

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