10年からの学び

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 住まい探しをする時、通勤のしやすさと日当たり、窓からの眺めが大切だった。でも今は、建物の耐震性やハザードマップ、避難所、さらに、もともとどんな土地環境だったかもチェックするようになった。
 それにしても最近はよく地震が起きる。今週は和歌山で震度5弱、宮城や熊本で震度4、先月は深夜に福島で震度6強。この福島の地震は、気象庁によると東日本大震災の余震だったというから意味深だ。新型コロナに気を取られている最中に「地震も忘れるな」と小突かれた気分だった。
 3月11日は東日本大震災から10年だった。各地で追悼が行われ、メディアも大きく取り上げた。私も東北大学の先生に話を聞いて、被災地の復興政策について振り返ってもらった。
 誰もが想定していなかった災害で、多くの人々が命を落とし、残された人たちも避難所や仮設住宅で不自由な生活を余儀なくされている。被災地を思うと胸が苦しくなるけれど、日本に住んでいる限り地震と無縁ではいられない。政府の地震調査委員会によると、首都直下地震が起きる確率は今後30年間で70%、南海トラフ地震は80%と言われている。地震だけではなく、日本は火山も多いし、地球温暖化による豪雨災害も増えている。私たちはうまく付き合っていかないとならない。
 思い起こすと大震災がきっかけで私の気持ちも行動も変わった。ありきたりだけど被害を最小限に食い止めるために心の準備をし、備えることの大切さを意識するようになった。家探しの時にハザードマップを確認するまでになるとは思わなかった。
 家には数日分の飲み物や食料のストック。簡易の防寒具やトイレもある。毎日持ち歩いているバックパックには、いざという時のために予備の充電器、ポケットWi-Fi、水、お菓子、マスク、消毒用アルコール、常備薬などいろいろと入っている。長く歩けるようにヒールの靴は履かない。
 大きな災害が起きるたびに「想定外」という言葉をよく聞く。けれど、想定外だから仕方ないとするのではなく、「想定外は起こるもの」という気持ちを当たり前のように持って生活していきたいと改めて思う。【中西奈緒】

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