日常と非日常に戸惑う

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 コロナは終息したんだっけ?と錯覚してしまう。それくらい街には人があふれていて、かつて見ていた日常の風景が広がる。違うのは皆がマスクをしていることくらいか。
 感染者がとても少ない東北地方から東京に戻って3週間。人の多さや生活感覚のギャップが大きすぎて、戸惑いながらも適応しようとしている。
 満員電車に乗り、人混みを歩く。オンラインでしか会えなかった同僚や上司との再会。お世話になった取材相手に初めて会う。現場に出向いて人々の生の声を聞く機会もあった。再び感染爆発となったらできなくなりそうで、今のうちにやっておこうと行動を起こした。人と会うことがとても新鮮だった。
 コロナ疎開をしている時にはあまり気が付かなかったけれど、良くも悪くも世の中は普通に動いている。コロナとうまく付き合いながら社会生活や経済活動を営んでいるのだと感じる。私もできうる最大限の感染防止対策をして普通に暮らしている。マスクをしてカフェやレストランに行きアクリル板で仕切られた席に座れば、まわりはこれまで何事もなかったかのような雰囲気だ。
 一方で以前のような緊張感は感じられず、不安に思うこともある。慌てるように人に会い、近所のカフェでも仕事。行きつけだったヨガスタジオにもまた通いはじめた。この生活で大丈夫だろうかと自問自答しながらも、かかってしまったら仕方がないという気持ちも心の片隅に生まれてきている。
 今はまた大都市を中心に感染者が増えてきて第4波の到来と言われている。各地に緊急事態宣言の前段階である「まん延防止等重点措置」が適用された。国や自治体、マスコミの注意喚起と普通の人々の意識には大きな差があるように感じるが、改めて気持ちを引き締めなくてはならないと思う。
 今やっている自衛策が十分なのか不十分なのか、もしくはやりすぎなのか、自分では分からない。今の生活を考えるともうすでに感染していて幸い無症状なだけかもしれない。重症化して初めてこの東京での数週間を後悔する時が来るのだろうか。まだ心の準備はできていない。【中西奈緒】磁針

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