全米日系人博物館が再開:小東京は正常化に向け第一歩

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反アジア系ヘイトに使命感

再開した全米日系人博物館。入館はマスクの着用義務づけられている

 新型コロナ禍で閉鎖していた全米日系人博物館(JANM)が再開し、小東京は正常化に向けて一歩を踏み出した。当面は週末のみ開館。無料で入館できるが予約が必要だ。

再開した全米日系人博物館。入館はマスクの着用義務づけられている

 一般開館初日の16日、マスクを着用した来館者は、観覧中はソーシャルディスタンスを維持することを求められた。2カ所の階段は上り用と下り用に分けられ、入場口と出口はそれぞれ別に設けられた。
 「私たちは可能な限り安全に開館できるように本当に一生懸命努力した。ついに再開でき、とてもワクワクしている」と館長兼CEOのアン・バロウズ氏はコメントした。また、「今以上に再開に適した時期はないと思っている。公衆衛生規制の緩和はさておき、反アジア系へのヘイトが問題になっている今、人々の避難場所となり、刷新と希望を感じることができる場所として、JANMがあることは非常に重要だ」と述べた。「開館すること自体が現時点でコミュニティーに提供できる最も重要なサービスの一つだと思う。そしてこのような事態が二度と起こらないように歴史に刻むこと。私たちには大きな責任がある」と使命感を示した。

再開を喜ぶアン・バロウズ館長

 バロウズ氏をはじめ同館のスタッフの多くは過去1年間、自宅で仕事をしてきた。それは彼らに真の革新と創造性の時間を与えたという。閉鎖直前に始まったタイジ・テラサキの「Transcendients: Heroes at Borders」は今も見られるが、差別、偏見、不平等に直面している人々のために闘ってきた過去と現在の個人をたえるこの展示には、新しくフェーズ2が追加された。パンデミックで起こったことと新型コロナ禍のヒーローに着目し、命を落とした人々や、特に医療従事者をたたえている。バロウズ氏は、「作家はまた、過去数カ月に起こった人種問題への抗議やジョージ・フロイド事件後のひどい、灼熱の、怒りと痛みにも取り組んでいる。現在進行中の反アジア憎悪にも焦点を合わせている」と述べた。
 常設展示「コモングラウンド」には、戦時中に日系人を強制収容したハートマウンテンキャンプからの実際の兵舎があり、証言ビデオが上映されている。

新しく追加された作品を鑑賞する来館者

 「JANMが重要である理由はたくさんあるが、その一つは、その歴史を保存するだけでなく、それが二度と起こらないようにするためにあることだ」とバロウズ氏は述べる。「そして、憎しみや偏見、差別が武器にされ、それが公共政策になったときに何が起こるかについて、のろしを上げるためにあることだ。残念なことに、昨年来の新型コロナのパンデミックの期間中に、私たちは言葉がどのように重要であり、言葉がどのように武器化されるかを見た。言葉のレトリック、特に大統領のひと言が、人々の根底にあったアジア人への人種差別感情を増幅させた」と述べ、JANM再開の意義を強調した。
 昨年、原爆投下75年を記念して開始した展示「きのこ雲の下で—広島・長崎・原爆」も展示されている。
 営業時間は金〜日曜の午前11時〜午後5時
 入場予約はウェブサイト—
 http://janm.org/tickets
 ギフトショップは閉鎖中。オンライン注文は—
 http://janmstore.com
【JKヤマモト、写真=マリオ・レイエス 訳=長井智子】

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