日本の木版画を展示:北斎や広重の名作も

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ジャパン・ハウス

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江戸末期から明治の浮世絵師、揚州周延の「日光名所 般若の滝、方等の滝」は色も鮮やか©JAPAN HOUSE Los Angeles

 1年以上続く新型コロナウイルスのパンデミックがようやく落ち着きを見せ、ロサンゼルスも徐々に活動を再開させている。ハリウッドにあるジャパン・ハウスのギャラリーもすでに開館しており、バーチャルで開催していた「NATURE/SUPERNATURE 日本の木版画における自然と超自然」展に足を運び、色鮮やかな版画の実物を、自分の目で鑑賞することができるようになった。

 浮世絵として有名な江戸時代の葛飾北斎や歌川広重の作品は良く知られているが、木版画の伝統は明治時代以降も受け継がれ、より新しい時代の風景や作風を見ることができ、新鮮。
 江戸時代と明治時代の木版画には美しい自然景観が多く描かれ、19世紀頃になると人々が自然景観を慈しむ様子を描いた作品も多く作られた。また、各地の景勝地や有名な寺社仏閣を題材とした版画は、人々を旅に駆り立てたという。他方、木版画家たちは、神話や民話、伝説に登場する霊的な存在や霊獣も描くようになり、縁起のいい神々、いたずら好きな精霊、変幻自在な動物、幽霊、鬼などが作品になった。

黎明期の日本の印刷物の木版、道具、顔料に関する説明や、どのような流れで色が重ねられるかが分かる展示©JAPAN HOUSE Los Angeles

 今回展示されるているのは加州クレアモント市のスクリプス大学が所蔵する多数のコレクションから厳選された60点余りの木版画。葛飾北斎、歌川広重、歌川国貞、歌川国芳、月岡芳年、楊洲周延、河鍋暁斎、吉田博、川瀬巴水ら日本を代表する木版画家たちの作品。これらの版画作品には、人々に愛されていた美しい日本の風景や、その中に棲(す)んでいると信じられていた超自然の存在が描かれている。
 日本人は古くから自然景観を崇敬し、その恵みや移ろいゆく季節の美しさを芸術や文学、旅、年中行事を通じて大切にしてているが、それは、超自然的な力が自然界のあらゆるところに存在しているという考え方に基づいている。日本の自然環境や、現代の日本文化にも通じる古くからの信仰心について理解を深めることを意図して企画された展示は、①木版画の歴史と製作工程②自然③超自然—の三つのセクションに分かれている。
 展示は今月31日まで開催。入場は午前11時〜午後6時。無料だが、オンラインで入場時間を予約すること。
 https://japanhousela.swoogo.com/Reservations
 入場時の検温、マスク着用、他人との距離の確保など新型コロナウイルス感染予防のガイドラインを守ること。5階のライブラリーとサロンはまだ閉館中。
 また、18日(火)午後5時からは、「Woodblock-printed and Real Journeys Through Japan(木版画の景観と実際の日本の旅)」と題した無料ウェビナーを開催する。スピーカーは美術史と旅行が専門で南山大学に留学経験もあるアン・アーリンさんと、日本政府観光局(JNTO)ロサンゼルスのショブハン・アーモスさん。詳細は同館のホームページで—
 www.japanhousela.com
 企画展のバーチャルツアーは—
 https://www.japanhousela.com/exhibitions/nature-supernature/

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