脳卒中の防止が重要:
アルツハイマー病で解説
チュウ医師
2006年6月3日
小東京サービスセンター(LTSC、ビル・ワタナベ所長)は5月20
日、「アルツハイマー病セミナー」をトーレンスのサウスベイ・コミュニ
ティー教会で開いた。講師に南カリフォルニア大学(USC)神経科教授
のへレナ・チュウ医師とアジアン・パシフィックアイランダーのマネジャ
ー、コリーン・ナカムラさんを招き、通訳を交え日英両語で解説、質疑応
答も持たれた。
セミナーではまず、チュウ医師がアルツハイマー病について解説。症状
は脳が侵され萎縮することによる記憶喪失から始まり、言語障害、判断低
下へとつながり、一人では自立できない状態に陥る。老化や遺伝子が原因
となる確率が高いとされているが、チュウ医師はその他あらゆる危険因子
を研究した中で脳卒中とアルツハイマー病のかかわりに着目。脳卒中が同
病を引き起こす一因であるのではと、研究を重ねている。
チュウ医師は、「脳卒中は『ストローク』と呼ばれ穏やかな病気に聞こ
えるが、『ブレインアタック』と呼んでいいほど恐ろしいもの。初期症状
のしびれやまひを感じたら即、911に連絡を」と訴え、脳卒中を防ぐこ
とがアルツハイマー病防止につながることを力説した。脳卒中にかからな
いためには生活習慣、特に食生活の改善をアドバイス。高脂肪、高コレス
テロール摂取、塩分の取り過ぎに留意し、喫煙と過度の飲酒を止め、適度
な運動で健康な体重維持を促した。低脂肪、低コレステロールの食物を数
値で紹介し、食用油などを推奨しながら説明、「脳卒中は防げる病気。日
頃の心掛けが大切」と呼び掛けた。
チュウ医師らのUSC研究チームは25年前からアルツハイマー病に取
り組んでいる。難病の原因解明には臨床検査が必要で、特にアジア系の協
力を求めている。記憶テストのほか、同病発症との関連が指摘されている
タンパク質(アミロイド)や高血圧、脳の検査のためにCTスキャン、M
RIなど最新医療機器を使い検査する。MRIは将来、アミロイドが蓄積
した「老人斑」の発見により、早期治療が期待されているという。チュウ
医師は各地で無料セミナーを開催し、日系社会では8年前から月1度の割
合で開いている。
認知症患者の介護について講議したナカムラさんは、介護者が疲れ果て
て「燃え尽き症候群」になることを紹介し、孤立感にさいなまれることが
多いという。一人で悩みストレスをためることなく、家族、友人、隣人な
ど周りに助けを求めるほか、郡などの公的機関に経済補助を求めることも
できると伝えた。
参加したオレンジ郡在住の日本人女性はアルツハイマー病の夫(82)
を6年間介護しているという。チュウ医師のセミナーは、担当医師に勧め
られ参加し今回で4回目。「役に立った。日本語の通訳があったので理解
が深まった」と述べた。一緒に参加したガーデナ在住の友人も夫を介護し
ているため、情報交換するなど励まし合って生きているという。
LTSCは、今回と同様の無料健康セミナーを継続し、次回は日系の介
護者のシンポジウムを10日、サンフェルナンドの日系人コミュニティー
センターで催す。
詳細はLTSC、電話213・473・3035または、アルツハイマ
ー協会ヘルプライン800・272・3900。
(潤、写真も) |