人はなぜ路上へ:ホームレス問題の実態(下)
人々の「誤解」も問題
支援団体は打破に努める
2006年12月10日
約9万人のホームレスを抱える「ホームレス・キャピタル」ロサンゼル
スのもう1つの問題に、「ホームレスに対する固定観念」が上げられる。
社会的弱者がホームレスになるのを未然に防ぎ、またホームレスになって
しまった人の更生に力を注ぐ各団体、個人らは、「ホームレスは怠け者
で、自分には関係ない」とのステレオタイプを打破したいと、声をそろえ
る。
「明日はわが身」
「ホームレスに関する誤った情報が横行している」—。「ロサンゼル
ス・ホームレス・サービス当局(LAHSA)」では、「誤解」を解くた
め、ホームレス人口の調査や状況、統計などを定期的に発信、人々の教育
に力を入れる。「まずは正しい情報を得て、間違った固定観念を捨てても
らいたい」と訴える。
同局のスコット・イトウ開発マネジャーは、「日系社会には、『教養の
ある日本人、日系人に限ってホームレスなんてあり得ない』との誤った考
えがある」と指摘。実際、ホームレスの16%が大学教育を受けており、
必ずしも教養の有無が関係しているとは限らないという。
高齢者や英語が不自由な留学生など、社会的弱者がホームレスになるの
を防ぐため種々なサービスを提供するリトル東京サービスセンター社会福
祉部の坂本安子さんは、「ホームレス問題はまさに、『明日はわが身』。
誰も自分がホームレスになると思って、ホームレスになる人はいない」と
警鐘を鳴らす。
放置は納税者に負担
「ホームレス問題を放置することは、私たちの生活にも影響を及ぼす」
と、イトウさんは言う。「1番の問題はもちろんモラル。21世紀の今、
空腹で路上生活を送る人がいることは大きな誤り」。それ以外にも、ホー
ムレスの人を放置することで納税者に多大な負担がかかっていると指摘す
る。「医療保健を持たないホームレスの人が緊急センターを利用したり、
警察に保護されるたび、われわれの税金が使われている。9万人のホーム
レスがいるロサンゼルス郡では、膨大な税金が使われている計算になる」
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