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音楽の散歩道
シニアパワー全開だ!
2008年4月26日

おがわ・ひろこ

小川弘子

神戸大学教育学部音楽科卒。同
大学院修士課程修了。専門はピ
アノ。歌曲、オペラアリアなど
声楽の伴奏を得意とする。97年
に渡米し教会、コミュニティー
団体などで伴奏している。

 平均年齢81歳のシニアシチズンのコーラスグ
ループを追ったドキュメンタリーです。何がスゴ
イって、普通その年齢ならば昔のミュージカルや
讃美歌などをマジメに歌っていそうなものなの
に、彼らはロックンロールなのです。舞台で歌っ
て踊って、しかもヨーロッパまで演奏旅行に出か
けていって。ちょっと信じられないパワーです。

 メンバーの中には、クラシックしか聴かない
人、ミュージカルが大好きな人、聖歌隊でずっと
歌ってきた人、若い頃に舞台に立ったことがある
人、このグループに入るまで人前で歌ったことな
ど一度もなかった人などいろいろな人がいます
が、誰にとっても舞台で歌っている曲は普段に全
く聴くことのない分野の曲ばかり。しかし、ビー
ジーズもローリングストーンもボブ・ディラン
も、クラッシュやコールドプレイ、ソニックユー
スなどのパンクやロックの曲も、年齢を重ね、人
生経験を経てきたシニアの人たちが歌えば、たち
まち歌詞の意味に重みが出て、まったく違うもの
になるのです。92歳の歌う「Should I Stay or
Should I Go」のメッセージは、若いパンクロック

 

バンドとは全く別のものとなって、聞く人たちの心に深く入り込んでいく
のです。「Forever Young」は、まさに彼らのための曲になってしまった
かのように聞こえます。

 これは今度の『散歩道』で書かなくっちゃと思って、このグループの公
式サイトを見ていると、ナント4月17日にLAで一夜だけのコンサート
があると書いてあるではありませんか! すぐにチケットを買い、行って
きました。いやはや、そのコンサートがまた、映画を超える興奮の坩堝
(るつぼ)でした。1曲ごとに交代するソリストたちに、拍手の嵐。特
に、前半ずっと車椅子に座って歌い踊っていた1人が、後半になって立ち
上がり、ジェームス・ブラウンの「I Feel Good」を歌ったときの歓声と言
ったら 全後半ともに45分ずつのステージを、まったくのノンストップ
で歌い踊り続けたメンバーに、ただひたすら脱帽。そして何より、198
2年の結成以来ずっと音楽監督を務めてきたボブ・シルマン氏に喝采。

 終演後、ロビーに出てきたシルマン氏に、25年も続けてこられた秘密
を直接お聞きしたところ、とてもシンプルに「楽しいから」という答えが
返ってきました。「でも、とっても大変だし、忍耐も必要でしょう?」と
言うと、「それって悪いことじゃないよね」。この映画は秋に日本でも公
開されるそうで、「日本の人にも、LAに住む日本人にも、大いに宣伝し
ておいてよ」とプロモートもばっちりでした。実際に歌っていた人たちと
もお話しをすることができ、幸せいっぱいの笑顔を見ていると、『 後期
高齢者』なんていう言葉で物議をかもしているどこかの国のお役人さんた
ちに、見せてあげたい気分になります。「年をとるのもまんざら悪くない
よ」というメンバーの言葉にバンザイ! 皆さん、ぜひ、見てください。
「Young @ Heart」です。みんなで元気になりましょう。

 

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