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若松コロニー跡地:州に売却の意向
305エーカー、460万ドル
土地所有者一家、11月30日が期限

2007年3月10日

 サクラメント郊外の私有地にある「おけいの墓」の行方が危ぶまれてい
たが、土地所有者のビアカンプ家が墓も含め周辺の土地合計約305エー
カーを州に売却することに合意していたことが5日、わかった。関係者に
よると、売却総額は460万ドル。購入期限は今年11月30日で、その
半分は州の助成金でまかなわれる予定だが、残り半分については民間で集
めなくてはならず、来月中に寄付の呼びかけが始められる。

 サンフランシスコの全米日系人歴史協会(NJAHS)理事の河内泰彦
さんによると、先月ビアカンプ家と面談したところ売却先の第一候補とし
て「アメリカン・リバーコンサーバンシー(ARC)」を挙げ、売却に向
け話を進めていることがわかった。ARCは資金を集め、州立公園予定地
を民間から買い上げる非営利団体で、最終的にはARCが州に土地を売却
する。念願の「若松コロニー跡」の州立公園化に一歩近づいたかっこう
だ。河内さんは「当初、最も恐れていた民間デベロッパーへの売却が回避
されうれしい」と胸をなで下ろす。しかし「売却額は市場価格に比べ格安
だが、どうやって11月までに460万ドルを集めるか」と懸念も隠さな
い。

 河内さんによると、そのうち250万ドルについては、今月1日まで
に、ARCが州の助成金を申請。しかしこの助成金を受けるためには「マ
ッチング・ファンド」と言われる残額210万ドルを「自力で」集め、支
給決定時に州に全額を示す必要がある。助成金が下りるかどうかがわかる
のは8月30日以降のため、購入期限の三カ月前とぎりぎりだ。もしも1
1月30日までに資金が集まらない場合、ビアカンプ家は他業者に売却す
る可能性もあり、助成金の有無にかかわらず一刻も早く資金集めを始めた
いという。

 来月中にARCはビアカンプ家、歴史協会のメンバーらと、エルドラド
郡コロマ市内の「若松コロニー跡」で記者会見を行い、メディアを通じ資
金集めを呼びかける予定。河内さんは「『おけいの墓』を4世代にわたり
守ってきたビアカンプ家と、会津若松の名前の両方がわかる形で、われわ
れも募金活動を手伝っていきたい」と話している。

 「若松コロニー」は1869年、福島県会津若松からアメリカに新天地
を求めた元武士らが築いたお茶と養蚕の租界。約2年で失敗し離散。ビア
カンプ家はコロニーの隣で牧場を営んでいたため離散後の入植者の世話を
し、土地を引き継ぐなどした。団長の子守係だった十九歳の「おけい」が
1871年亡くなり、元入植者らがビアカンプ家の所有するコロニー跡に
建立したのが「おけいの墓」。入植100周年を記念し1969年、コロ
ニー跡はカリフォルニア州の史跡指定を受けるが、墓や建物はビアカンプ
家の所有地内にあり、墓参の利便性を訴え、長年にわたり日系社会から土
地の買い取りや公園化を求める声が上がっていた。(大西)

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