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春の叙勲「旭日単光章」を受章した
飯沼信子さん

2006年7月15日

 著作のテーマがなぜ欧米人の妻ばかり? と尋ねると「意図的じゃない
の。調べていくうちに、たまたまなのよ」。そして「当時、女性に『見る
目』があったことが興味深い」。

Iinuma

1932年静岡県沼津市生まれ。
実践女子大中退、結婚のため53
年渡米。日系2世の夫の故郷であ
る高知新聞の連載(84年)をき
っかけに著述活動に。「野口英世
の妻」(92年)、「高峰譲吉と
その妻」(93年、ともに新人物
往来社刊)など。01年「羅府ク
ラブ」講師。1男1女、孫2人

 最初に手掛けたのは「野口英世の妻メリ
ー」。きっかけは野口の故郷、福島のテレビ
局の制作局長に「本人や母シカのことは知ら
れているが、夫人を描いたものはない。せっ
かくアメリカにいるのだから、研究しては」
と言われたこと。日本側では「外国人妻メリ
ーは悪妻」の評判で、情報はほとんど得られ
なかった。

 帰国後、アメリカの研究者の野口に関する
文献を集めた後、ニューヨークに足を運ん
だ。そこで野口の遺言を発見。その文章から
「酒飲み、計算高い女」との風評は違う、と
確信する。「メリーの名誉回復をしたい」
と、事実関係の解明に情熱を傾け約4年。
「足で集めた情報」をまとめた。

 「とにかく徹底的にやらないと気が済まな
いの」。ズバリと言いつつも、相手を気遣う
人柄。並々ならぬ資料の収集力は行動力プラ
ス「人徳」だ。

 6人兄弟の末っ子で家業は印刷業。東京に出たい一心で大学進学を志す
が「国文科はだめ。家政科なら」と許された。女子寮で生活、父長田与作
(伊織)さんに手紙を出すと、朱筆で校正された。

 夫の星光さんとは大学1年生のとき、東京で出会った。当時星光さんは
陸軍勤務。「『移民の子』なんて、と結婚は反対された」。父は飯沼さん
が渡米して2年後、再び会うことなく他界した。枕元には娘からの電報が
いつもあったという。インクの匂いをかいで育った環境が現在の活動の源
だ。(大西、写真も)

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