戦後は、離散した日系人が再団結し小東京を復興。近年では新1世や3
世、4世の米国社会での目覚ましい活躍を取り上げている。また、ペリー
来航や日米修好通商条約、第2次大戦などの日米外交と日系社会での出来
事を年表にし、時代背景を分かりやすくまとめている。
出版のきっかけはJEWLが、ある日系非営利団体の寄付金集めのため
のチャリティイベントに参加したことから。普段は二つに分かれている日
系米人と日本人だが、共通の目標に向かい奉仕に励んでいた。この光景を
目の当たりにし「同じ『祖国・日本』を持つ両者をまとめたい」—高まっ
た感情は抑えられず、2つの社会の共通点に着目。日系社会の礎を築いた
移民史に焦点をあて、1冊の本にまとめることを思い立った。本書は、そ
んなコンセプトから「Bridge of Hope」(希望の懸け橋)と名付けられた。
当初は日本語のみの出版を予定していたものの、多くの日系米国人に助
けられ、それらの人たちが理解できるようにと英語を付加。英訳とページ
数増加で費用はかさんだ。しかし、趣旨を理解した日系財団や個人が手を
差し伸べ、多くの寄付と協力があった。
出版した3000冊のうちの1000冊を日系6団体(全米日系人博物
館、敬老シニア・ヘルスケア、日米文化会館、ゴーフォー・ブローク、オ
レンジ郡農業日系へリテージ博物館、ビジュアル・コミュニケーション
ズ)に分けて寄付する。また、日系以外の学校や図書館にも寄付し、日系
社会と米国社会の交流につながればと、期待している。
JEWLは1985年、7人の日本人女性経営者を会員に創立。相互扶
助、会員間の親睦を深め、さまざまな活動を通じ社会貢献にも務めてき
た。これまでの活動の中で、今回の史書出版は最大のプロジェクトだった
とメンバーは語る。
資料集めのために日米間を幾度にわたり往復、写真提供を要請した米国
の博物館、軍からも膨大な資料を集めたが、本業の傍らの編纂だけに足か
け3年を費やした。途中、脱会者も出るなど紆余曲折を経て、晴れて出版
にこぎ着けた。
藤村富士美・顧問は、寛大な寄付を受けた日系米人の「パイオニアに対
する思い入れ」を強く感じ「日系移民の偉業をいいかげんに済ませてはな
らない」と自らを鼓舞した。また、プロジェクトが行き詰まった時期もあ
ったが、日系パイオニアに後ろから押された感じがして成し遂げられたと
いう。
2005年のプロジェクトのスタート時に会長を務めた藤田喜美子・理
事は「単なる本ではなく未来への懸け橋として捉えて読んでもらって、同
じ日系の血が流れる2つの社会が1つになってもらいたい」と願いを込め
る。
本書は265ページ、価格は30ドル。紀伊國屋、旭屋、三省堂の日系
各書店と全米日系人博物館のブックストアで販売予定。メールオーダー
(送料5ドル)の詳細はJEWLまで、電話310・486・5247。
Eメール—
boh@jewlusa.org
ホームページ—
www.jewlusa.org
(潤、写真も)
|