加州刑務所過密問題:
囚人を他州に移送、知事が緊急事態宣言
2006年10月9日
加州のシュワルツェネッガー知事は4日、州の刑務所で超過密状態が続
いていることで囚人らの健康被害や精神面への影響、また職員の安全を懸
念し、緊急事態宣言を発令した。知事は執行権を駆使し、加州の囚人17
万2千人の1部を他州の民間運営の刑務所へ移送する意向を発表。早けれ
ば11月にも施行すると述べた。AP電などが伝えた。
知事は、州にある33の刑務所のうち、29カ所で深刻な超過密状態と
なっており、「人間の尊厳が失われている状態」と説明。一部の刑務所で
はスぺース不足により、定員3人の監房に6人が収容されすし詰め状態
で、ジムや廊下などには3段ベッドが並べられ臨時監房と化すなど、深刻
な状態となっている。
また、収容人数が膨大なため、十分な運動時間を与えられない刑務所も
あり、囚人の精神面への影響も懸念されている。知事は、昨年は複数の刑
務所内で囚人による暴動が百件以上発生したとして、早急な対応が必要だ
と強調した。
州矯正局では、この状態が続けば、2007年8月までに州の全刑務所
は満員となり、各郡刑務所に囚人を振り分けなければならないという。し
かし、郡刑務所もほぼ満員状態となっており、実質、囚人の行き場が失わ
れる状態になると警鐘を鳴らした。
これらの現状を受け知事は、緊急事態宣言を発令するとともに、他州へ
の囚人の移送を決定。受け入れに応じたアリゾナ州、インディアナ州、オ
クラホマ州、テネシー州にある民間運営の刑務所へ計2千200人の囚人
を移送する。また、その他19州にある刑務所も移送に興味を示してお
り、話し合いがまとまれば、さらに1万人の移送が可能となる。移送は、
早ければ11月にも開始される。
矯正局が行った事前調査によると、囚人の約2万人が自主的に移送を希
望しており、州が求める五千人を大きく上回っている。同局では、加州は
2011年までにアーバイン市の総人口を上回る計19万3千人の囚人を
抱えると予想している。
知事の緊急事態宣言発令を受け民主党員らは、「11月の知事選で再選
を睨んだもの」と批判、移送に反対する囚人の強制移送がないよう強く求
めた。また、対抗馬のフィル・アンジェリデス氏は、知事就任後すぐに緊
急事態宣言を発令しなかったことを批判した。(中村)
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