LAPD副本部長:テリー・ハラ氏が就任
日系3世、アジア系で初めて
2008年4月11日

アジア系で初めてLAPDの副本部長に就任した
テリー・ハラ氏とゲイル夫人=7日の就任式典で
1月22日にロサンゼルス市警(LAPD)の副本部長に任命された日
系3世テリー・ハラ氏の就任式が7日、エリジアンパーク内の警察学校で
開かれた。式典にはアントニオ・ビヤライゴーサ市長をはじめ、ウイリア
ム・ブラトン本部長、第13区選出のエリック・ガセッティ市議会議長ら
市関係者ほか、日系、アジア系社会からは諸団体の代表ら約400人が参
列し、アジア系初となる同市警副本部長の誕生の瞬間を見守り盛大に祝っ
た。
ハラ氏は1980年にLAPDに入り、麻薬捜査部や交通部などでさま
ざまな任務をこなしてきた。今回の昇進で九人いる副本部長の1人とな
り、ハリウッド、ウイルシャー、ウエスト・ロサンゼルスなど西部地区を
指揮する。
約380万人のロサンゼルス市民の安全を守る市警察(LAPD)。治
安維持のために警官9630人を擁すが、本部長を支える副本部長のポジ
ションはわずか九人しかいない。その1人に日系3世のテリー・ハラ氏が
就任した。アジア系初の副本部長誕生は、同系社会が待ちわびた歴史的瞬
間だった。
就任式ではアジアを色濃く出した演出で盛大に祝った。LAPDの式典
の開始はアイリッシュ民謡の演奏が通例だが、太鼓演奏で幕を開けた。バ
イリンガルのアジア系九人の警官が日本語、中国語、韓国語など各国語で
「ポリスアカデミーにようこそ」と、参列者を歓迎した。司会を務めたの
はハラ氏の親友の日系女優タムリン・トミタさん。トミタさんの父シロウ
さんはLAPDの元巡査部長とあって、こちらも適任の司会者を起用し
た。また、白バイ隊員からキャリアをスタートしたハラ氏の栄転に、入隊
当時のモデルから最新モデル23台の白バイをずらりと並べ祝福した。
約400人が式典に参列し、各代表がハラ氏に祝辞を述べた。
アントニオ・ビヤライゴーサ市長はハラ氏を「堅実で職務に情熱があ
り、われわれの町を守ってくれるだろう」と述べた。
「今日、テリー・ハラが歴史を作った」と、称えたウイリアム・ブラト
ン本部長。絶大な信頼を置くハラ氏の昇進は「責任感があって、われわれ
の期待に応えてくれるから」と説明し、さらなる活躍を願った。
宣誓セレモニーでハラ氏が全力で公務を全うすることを誓うと、会場か
ら拍手の嵐と喚声が沸き起こった。妻ゲイルさんから、胸にバッチを着け
られ正式に就任した。
ハラ新本部長は就任のあいさつで、「亡くなった父が出席し私を見守っ
たこの警察学校の卒業式と同じ会場で就任式を迎えられた」と、感慨深げ
に語った。当時と比較し時代が移り、LAも多様性を増したことを強調。
「LAPDに入った当初は約60人だったアジア系警官は今では750人
を超え、コミュニティーとの関係構築が重要だ」と説いた。「公務員とし
て誇りを持って多様な町LAと市民のために尽くしたい」と力を込めス
ピーチを締めくくった。
ハラ氏は1980年にLAPDに入り、麻薬捜査部や交通部などでさま
ざまな任務をこなし才能を発揮、副本部長の地位に就いた。ハリウッド、
ウイルシャー、ウエスト・ロサンゼルスなど西部地区を指揮する。ちなみ
に、日系社会ではオプティミストクラブの会長を務めたり、来年度の2世
週祭の実行委員長就任が予定されている。南加日商会員でもある。
社会からの期待大きく
注がれる熱い視線
200を超える言語が話されているというLA郡。その多言語が物語る
多民族都市ロサンゼルスでは、各少数民族が独自のコミュニティーを形成
している。繁栄に欠かせないものが治安であり、LAPDと密接な関係を
築くことで安全を確保し社会を守っている。人口増加、発展の一途をたど
るアジア各系も同様に、安全な町づくりにおいてハラ氏の協力に期待する
声は大きい。渇望したアジア系副本部長誕生にコミュニティーは大いに沸
き、同氏に熱い視線が注がれる。
LAPD元アジア特捜隊長・ジミー佐古田氏 副本部長昇進は、アジア
系警官にとてもよい刺激になる。私たちがアジア特捜隊を立ち上げたの
は、アジア系社会とのいい関係を築くため。テリーはそれを受け継いでく
れ、より親密なものにしてくれるに違いない。(50歳と)若く、まだま
だやってくれると期待している。
LAPD元理事・ローズ・オチ氏 テリーの前回の昇進では、私は選考
委員の1人として自信を持って彼を選んだ。今回は、マイク・ヤマキ氏ら
アジア系が中心になって本部長に働きかけてくれ擁立できた。この日がア
ジア系米国人にとって、どれだけ重要なのか分かってもらいたい。こうい
うチャンスは滅多に訪れない。テリーはそれをものにした。
LA郡副保安官(LAPDの副本部長に相当)でガーデナ市長のポー
ル・タナカ氏 日系社会にはまだ、医者や弁護士、公認会計士を目指す伝
統がある。だが、キャリアを積み今のポジションまで上り詰めたテリーを
見ると、警察官も魅力のある職業だと分かってくれたと思う。テリーが実
証してくれ、ロールモデルになったことに感謝している。
白バイ時代の同僚で交通機動隊西部地区所属のウィリアム・ロバート氏
2年近く一緒に働いたが仕事を適確にこなし、誰にでも優しく接し信頼
されていた。偉くなっても性格は変わらず、あんなにいい人はそういな
い。前回もそうだったけど、今回の昇進を何も驚いていない。テリーを知
る人なら誰でもそう思っているはず。
ミカ・クロイワ巡査 ハラさんは、4年前のポリスアカアデミー時代に
お世話になった恩師なので、就任式のステージで日本語で参加者に話せた
ことがとても光栄。アジア系警察官の鑑(かがみ)であり、私たちも副本
部長いや、それより上に昇格できる希望を与えてくれた。
小東京交番・ブライアン・キトウ代表 LAPD警官になりたい日系人
は多い。筆記試験に強い日系人だが、口頭試験となると滅法弱い。そんな
人たち向けのセミナーを開き、テリーは講師を快諾してくれた。警察官を
志す若者にいつも「ルックアットヒム」と励ましているんだ。
(文・写真=永田 潤)
|