南加神奈川県人会:
「格式」から「気楽さ」に
ピクニックで100周年祝う
2008年7月19日

ピクニックに集まった会員
創立100周年を迎えた南加神奈川県人会(武市武会長、会員70家
族)は13日、トーレンスのウィルソン公園で恒例のピクニックを催し
た。3世や4世を中心に運営する同県人会では、「格式より気楽さで」と
の多数意見を受け、ピクニック会場での「記念式典」を決定。青空の下に
集まった約200人の会員らとともに、「気楽」に100周年を祝った。
100周年記念式典をめぐっては、約3年前から理事会で継続的に話し
合いがもたれていた。同県人会は、神奈川県を故郷と感じる2世や新1世
会員が少なく、理事会メンバーは会長を除きほぼ全員が県と直接つながり
を持たない3世や4世が占める。そのため、県知事らを招待し盛大な式典
開催を望む少数派意見を上回り、「資金もないので、ピクニックでひと言
触れるだけで十分」と決定した。
小田原高校の1年生だった1954年に渡米、移住した新1世の武市会
長は、「神奈川県人会を心のよりどころとしてここまで築き上げた先代の
方々に申し訳ない」と悔やむ。「実情を県人会協議会などで話すと、皆同
じような悩みを抱えており、多くの励ましをもらった。しかし予算の問題
もあり、式典を開催することはできなかった」と振り返る。代わりに今年
のピクニックでは、日本の伝統文化継承に力を入れる若者の太鼓グループ
「Prota」を招待、百周年らしく、華やかなエンターテインメントを催し
た。
また、3世や4世らに神奈川をもっと身近に感じてもらおうと、4月に
神奈川旅行を実行。計13人が参加し、横浜や鎌倉、湯河原などを観光
し、旅館や露天風呂などを体験した。参加者からは、「普段の訪日では体
験できない、県人会ならではの内容だった」と好評で、これからも続けて
行く意向という。武市会長は、「この経験がいつか、県人会継続につなが
ってくれれば」と期待を寄せた。
ピクニックには、家族連れ約200人が参加。心地のいい風が吹く中、
会員持ち寄りの手料理とバーベキューを楽しんだ。あいさつに立った武市
会長は、「1908年、20人の会員からスタートした南加神奈川県人会
は今年で100周年を迎えました」とあいさつ。県人会協議会を代表し、
榎智寿同副会長が、「これからは200周年を目指して団結してくださ
い」とエールを送った。
食後は恒例のミニ運動会。子供から大人までが一緒に楽しめるゲームが
目白押しの中、皆、景品を目指しわれ先にと駆け回り、笑いの絶えない楽
しいひとときを過ごした。
ラミラダ在住の荒尾エディ、美保さん夫妻は、今年初参加。エディさん
の母親、美也子さんが神奈川県出身とあり、この日は3世代そろって参加
した。千葉県生まれ、東京育ちの美保さんは、「アメリカに県人会がある
とは知らなかった」といい、「子供たちも一緒に楽しめるので、これから
は積極的に参加したい」と話した。美也子さんは、「1人では少し心細い
が、今日は子や孫らと家族水入らずで参加でき楽しい」として、これから
も参加を希望してるという。
南加神奈川県人会は1908年、末高政太朗氏を初代会長に創立。星崎
定五郎氏、草柳竹次郎氏、高橋春吉氏、神谷増太朗氏など、神奈川県から
のパイオニアをはじめ、計20人から活動を開始した。
14年、会員の神谷氏が購入した東1街の「オリエンタル旅館」の事務
所を借り、ミーティングなどを開催。23年9月1日に発生した関東大震
災の際には、県人会として約4000ドルを神奈川県庁宛に送金するな
ど、会員同士の親睦のみならず、県とのつながりも強化した。
神谷氏、西山楽天氏を経て星崎氏を会長に迎えた34年には、会員数が
100人を超え、37年に婦人会を結成。同年、新年会と親睦会、またピ
クニックを開催した。
41年、太平洋戦争勃発、日系人強制収容などで活動を一時中止した
が、48年に再開。60年代には、県と県人会の間で交換留学生の受け入
れをするなど、積極的に県とのつながりを持ったが、80年代ごろから
徐々に会員が減少、受け入れ先となるホストファミリーも少なくなり、予
算難なども重なり同プログラムは終了した。
94年、帰米2世の遠藤広四氏が会長に就任。以後、10年間にわたり
会の活動を支えてきた。05年、武市氏に会長職が移行され、春の新年
会、夏のピクニック、カジノ旅行など定期的に行い、不定期で、神奈川旅
行も計画している。
同会は現在、100周年記念誌の制作を進めている。発行は来年の新年
会の予定。
南加で今までに100周年を祝った長寿県人会は、鹿児島、熊本、宮
城、三重、岡山、山梨、滋賀、佐賀、山口、静岡、長野、千葉、福島で、
神奈川が14県目。9月7日には福岡県人会がロサンゼルス・ダウンタウ
ンのマリオットホテルで創立100周年祝賀会を催す。
(中村良子)
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