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音楽の散歩道
室内楽を聴きましょう
2008年9月13日

おがわ・ひろこ

小川弘子

神戸大学教育学部音楽科卒。同
大学院修士課程修了。専門はピ
アノ。歌曲、オペラアリアなど
声楽の伴奏を得意とする。97年
に渡米し教会、コミュニティー
団体などで伴奏している。

 一般的にお堅いイメージのクラシック音楽の中
でも、特に地味で見た目の華やかさにも欠け、わ
けがわからないと敬遠されやすいのが、室内楽と
呼ばれるものです。では、室内楽とは厳密に言う
とどんな音楽なのかというと、案外わかりづらい
ようです。

 室内楽とは、平凡社の『音楽大事典』による
と、「一般に1パートが1人の奏者によって奏さ
れる合奏形態を重奏といい、重奏による器楽合奏
曲を室内楽という。その編成は通常二重奏曲から
九重奏曲までがある(後略)」とあります。10
人なら、11人なら、室内楽といわないか、また
はその編成の曲はありえないのか、というと、そ
んなことはありません。ただ、大変数が少なく演
奏される機会も限定されているので、一般的では
ないということです。

 二重奏曲はデュエット(またはデュオ)、三重
奏曲はトリオ、四重奏曲はクァルテット、五重奏
曲はクィンテット。このあたりまではご存知の方

も多いと思いますが、それ以上は何と言うでしょうか? 六重奏曲はゼク
ステット、七重奏曲はセプテット、八重奏曲はオクテット、九重奏曲はノ
ネットと言います。

 最も典型的な室内楽は、弦楽四重奏で、ヴァイオリン2本、ヴィオラ、
チェロで編成されます。「1パートが1人」が室内楽の原則ですので、ヴ
ァイオリンが二人でも、第一ヴァイオリン、第二ヴァイオリンとして、違
った楽譜を持ち違った音を演奏しています。これはもう、ありとあらゆる
作曲家が書いています。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シュ
ーベルト、ブラームス、ラヴェル、フォーレ、などなど、名前を挙げたら
きりがないほどです。

 ピアノ、ヴァイオリン、チェロからなるピアノ三重奏も優れた作品の大
変多いものです。二重奏で代表的なものは、ピアノとヴァイオリンで、ヴ
ァイオリンソナタと呼ばれます。この場合、ピアノは単なる伴奏ではな
く、ヴァイオリンとまったく同等の比重を持つというのは、他の編成の室
内楽と同じです。

 弦楽五重奏は弦楽四重奏にヴィオラ、チェロ、またはコントラバスを加
えたもの、ピアノ五重奏は弦楽四重奏にピアノを加えたものが多く、管楽
五重奏曲は、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンと
いう編成が一般的です。弦楽六重奏は、ヴァイオリン2、ヴィオラ2、チ
ェロ2、弦楽八重奏は、ヴァイオリン4、ヴィオラ2、チェロ2というの
が最も多いですが、六重奏以上の楽器編成は多様であり、弦楽器と管楽器
を組み合わせたもの、ピアノと管楽器、弦楽器を合わせたものなどなど、
曲によって編成が違うと言っても過言ではありません。

 1人ひとりの奏者の音が対等に混ざり合って醸し出すハーモニーは、フ
ァンにとっては聴き込めば聴きこむほど味わいの出るもので、奏者同士の
熱い火花が目に見えるような、丁々発止という言葉がぴったりの演奏に接
したときには、ドキドキするほどです。これまであまり縁のなかった方に
は、まずシューベルトのピアノ五重奏曲「鱒」から聴いてみることをお勧
めします。おなじみのメロディーが、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、
チェロ、コントラバスという編成でどのように響くのか、聴いてみてくだ
さい。

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