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オーロラ日本語奨学基金:
創立10周年で記念イベント

2008年10月18日 


ゲイラナイトで創立10周年を祝った鏡割り。
左端が阿岸代表

 日本語教師の育成を目的に1998年に設立された非営利団体「オーロ
ラ日本語奨学基金」(阿岸明子代表)は今年創立10周年を迎え「ベネフ
ィットコンサート」「ゲイラナイト」「日本語教育シンポジウム」の3つ
を柱とする記念イベントを3日から連続3日間にわたりロサンゼルスなど
で催した。過去33人の奨学生を出した10年の歩みを振り返りながら大
きな節目を盛大に祝い、次の10年へ向け決意を新たにした。

さだまさしさん 再公演
 歌と絶妙のトークで魅了

 コンサートは5日、トーレンスのエルカミノ大学で催された。10周年
を記念して、第1回目に出演し同基金名誉理事でもある歌手のさだまさし
さんがアンコールに応えての再公演。公演前に「郷愁を感じさせる歌もた
っぷり聴かせたい」と述べていたさださん。日本を離れて年月が経つ参加
者に配慮し20年以上前の懐かしい名曲も披露、満席の聴衆を魅了した。

 さださんのコンサートは、歌のみならずトークも「売り」。ユーモア溢
れる絶妙のトークショーは、会場を笑いの渦に巻き込んだ。公演前半には
最後の曲を歌い終えないままに幕が下りるハプニングに見舞われた。ソロ
コンサート日本記録の3300回を超える公演の中で初めての出来事と驚
きながら、「日本に帰ったら、こんなことがあったと紹介させてもらいま
す」と、「ネタ」の収穫を喜んでいた。

 実直で慈善心を備えるさださんはまた、若者言葉や若者の素行など現代
の日本社会の乱れを嘆いた。短気な若者が多くすぐに「キレる」のは、
「日本語で言いたいことをうまく表現できず、相手に伝え方を知らないか
らすぐに怒りだす」と分析。言語教育の重要性を説き、オーロラ基金の
10年間の活動の労をねぎらいエールを送った。

 さださんは「また、10年後に帰ってきます」と、再会を固く誓った
が、鳴り止まぬ拍手。カーテンコールに応え最後の一曲を熱唱した。観衆
はスタンディングオベーションで返し公演は大盛況で幕を閉じた。

ゲイラナイト
300人出席し節目祝う
受賞者の活動状況報告も

 同基金の活動資金集めのためのゲイラナイトは3日、キョウトグラン
ド・ホテルで開催された。日系社会を中心とした支援者約300人が出席
し創立10周年の節目を盛大に祝った。ラッフルチケットを購入したり各
種オークションで思い思いの値を付けた。

 ライブオークションでは、さださんも自身が所有するギターやステージ
で着る衣装を出品。高値で落札され、大いに盛り上がった。さださんのフ
ァンクラブからは、60人が来米し各種イベントに参加。オーロラ基金支
援の輪は海を越え日本にも理解されつつあり、日米交流のより一層の発展
に寄与した。

 過去の奨学金受賞者9人も臨席し、10周年の記念に花を添えた。得意
の日本語を交えて祝辞を贈り、恩返しとなる活動状況を報告。支援者は温
かい拍手を送り、さらなる活躍に期待を寄せた。

画期的なシンポジウム
日本語教師一堂に集め

 シンポジウムは4日、ハンコックパークの日本国総領事公邸で行われロ
サンゼルス地域で活動する日本語教師ら約60人が参加した。オーロラ基
金10周年を記念し、在ロサンゼルス日本国総領事館、オーロラ基金、日
米財団の3者の共催。

 公立、私立の中、高、大学などで教べんをとる日本語教師らが一堂に会
する画期的な試みとなった。6、7人単位の10グループに分け、各参加
者が現状を発表した。問題を提起し、意見交換。討論をまとめグループご
とに発表を行った。

 第2言語としての日本語は、中国語に押され予算も削減されつつあるな
どの悲観論が多く聞かれたものの、GPA(評定平均)に組み込まれ生徒
のやる気を起こさせているという明るい話題も披露された。

 最後に、カリフォルニア州立大ロングビーチ校の片岡裕子教授が統括。
中国語の躍進(クレデンシャルの数で日本語の2倍以上)について、日本
語教育に影響を及ぼすものと考えずに「中国語の増加は外国語全体のレベ
ルアップであり、いいこと」と話した。経済問題に伴う日本語の予算削減
など状況は厳しいが、「日本語教師の質は高く、自信を持って下さい」と
勇気づけた。

 参加者でキャンベル中学の教師フリーダ・ヨシオカさんは、さまざまな
教育の場で活躍する教師らと意見を述べ合い「刺激を受けた」とし、「今
日学んだことを生かしてがんばりたい」と抱負を述べた。

「初心忘れず精進」
 阿岸代表

 オーロラは、毎秋の奨学金授与式に合わせ日本から有名歌手を招いての
コンサートとゲイラナイトを開くほか、春にはチャリティーゴルフ大会を
開催し奨学基金を捻出している。さらに、高校生を対象にした日本語スピ
ーチコンテストを開き、優勝者を米国代表として日本開催の国際大会に派
遣するなど、次世代の育成にも力を入れている。

 阿岸代表は、「20周年を目指し、来年の11年目より気持ちを新たに
初心を忘れず、日本語教育の普及、日米の懸け橋となるようにスタッフと
ともに精進したい」と抱負を述べている。

 オーロラに関しては、電話323・882・6545。 Eメール —
AuroraFoundation@usa.net
 www.jlsf-aurora.org
(永田潤)

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