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映画監督・落合賢さん:映像通じ心を伝える
老人ケアに尽力した、日本人女性の功績追う

2008年10月18日 


協力を呼び掛ける落合さん(左)
とカルドマさん

 「日本人として、日系史は後世に伝えていかなければならない重要な歴
史。映画を通じ、目で見て、耳で聞いて、心で感動を感じて、1人でも多
くの人に海外で活躍する日系および日本人について学んでもらいたい」—

 アメリカ映画協会(AFI)付属大学院で映画監督学科を専攻する落合
賢さん(25)は現在、卒業映画製作として、日米の老人福祉ケアに尽力
した日本人女性、カルドマ・木村・哲子さんの短編映画製作に向け、製作
に必要な資金集めを呼び掛けている。

 子供の頃、初めて映画館で見たのがスティーブン・スピルバーグ監督の
「ジュラシックパーク」だった。そのスケールの大きさ、映像の美しさ、
心を伝える繊細さに圧倒され、映画製作の奥深さに魅了された。

 アメリカで映画監督になる夢を実現させるため、高校卒業後に渡米。サ
ンタモニカカレッジ、南カリフォルニア大学(USC)映画製作部を経
て、平均年齢29歳の合格者28人の中に、日本人留学生として初めて2
3歳でAFIの映画監督学科に入学した。

 落合さんが日系史に興味を持ったきっかけは、日系3世の映画監督、ク
リス・タシマ氏の「ビザと美徳」(98年に短編映画部門でアカデミー賞
受賞)との出会いだった。世界中で活躍する日本人や日系人の姿に感動、
彼らの姿を映像を通して後世に伝え広める大切さを学んだ。

 その第1歩として、小野洋子さんをエグゼクティブプロデューサーに迎
え、第2次大戦中の日系人強制収容にまつわる短編ストーリー「ハーフケ
ニス」を製作している。

 同作品の製作を通じ、ロサンゼルス郊外でエストニア移民の夫とともに
約19年間、高齢者のためのレジデンスホームを運営、日米の老人福祉に
尽力したカルドマ・哲子さん著の書籍「アルツハイマーよ、こんにちは」
(誠信書房)と出会った。

 カルドマさんが渡米から33年間にわたり見た「アメリカの福祉」「ア
ルツハイマーで刻々と消えていく記憶と闘いながらも懸命に生きようとす
る老人の姿」「音楽療法の驚くべき効能」「人種や国籍を越え生まれる人
と人との触れ合い」などに感動。カルドマさんが音楽を通して言葉の壁を
越え、老人たちと心の底から通じ合えたということに焦点を当てた短編映
画の製作を決めた。

 落合さんは、「若い人が老人ケアの知識を身につけることで、社会全体
が変わっていく」と、短編映画を通じ、カルドマさんの忍耐、苦労、喜
び、また福祉の可能性を訴えたいという。

 短編映画製作の話を快諾したカルドマさんは現在、ボイルハイツの敬老
引退者ホームで生活する。47歳で渡米、カリフォルニア大学ロサンゼル
ス校(UCLA)で福祉学を学び、夫とニューベリーパークでレジデンス
ホームを開設した。多くの人の老いや死に付き添いながら、米国で学んだ
レジデンスホームの制度を日本に導入した第1人者でもある。

 カルドマさんは、「落合さんのような若い人が老人福祉に興味を持って
くれることは大変ありがたい」といい、映画を通じ、「人種や国籍が違っ
ても、人は必ず死に至る。だからこそ、争いを止め、同じ人間として互い
を思いやり、愛する気持ちを持つ大切さを学んでもらえたら」と映画に期
待を寄せる。

製作資金集めを呼び掛け

 落合さんはまた、来年はじめの撮影開始を前に、映画製作に必要な制作
費1万5000ドルの資金援助を呼び掛けている。詳細および資金援助に
協力してくれる個人または企業は落合さんまで、Eメールアドレスは—

 info@kenochiai.com
 ホームページは—
 http://kenochiai.com/Kaldma.html
(中村良子、写真も)

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