米国国連協会:俳優水澤氏に人権賞、
故杉原氏の葛藤を演じる
2008年12月13日

授賞式であいさつする水澤氏
第二次世界大戦中、ナチスの迫害から逃れ国外脱出を試みたユダヤ人に
ビザを発給し6000人の命を救ったリトアニア日本領事館領事代理の故
杉原千畝氏の葛藤を一人芝居で演じる俳優水澤心吾さんが10日、米国国
連協会ロサンゼルス支部から人権向上に貢献した人物に贈られる「エレノ
ア・ルーズベルト賞」を受けた。国連が定める世界人権デーにあたる同
日、小東京に建つ杉原氏の銅像と記念碑の前で授賞式が行われた。
水澤(みさわ)さんは、杉原氏の人道行為に心を打たれ、舞台で表現し
広く伝えることを決心。「杉原千畝物語 〜決断・命のビザ〜」 をこれま
でに約40回上演している。英断までの葛藤をよりリアルに伝えるため、
効果的な一人芝居を選んだ。杉原氏と同じ86歳まで同作を演じる目標を
持つ。計6ステージの米国公演が決定し、来年2月下旬から3月にかけ小
東京の日米劇場とロサンゼルスのウィルシャー・イーベル劇場の舞台に出
演する。
受賞の式典には伊原純一在ロサンゼルス日本国総領事やトム・ラボジ市
議(第4区選出)などの来賓が参列し祝辞を送った。
伊原総領事は国連の人権保護活動の重要性に力を込めながら「(外交官
として)偉大な『先輩』の銅像のそばに立ててうれしい」と感慨ひとし
お。「来年の水澤さんの舞台が楽しみで、杉原氏の業績を思い出すいい機
会だ」と語った。
水澤さんがあいさつに立ち、一人芝居を思い立った経緯を「杉原さんの
葛藤など心の中で起こったことを表現したかった」と紹介。「千回の公演
を目指して、日本とロサンゼルスで一つひとつ公演をしたい」と抱負を述
べた。
今回の渡米で水澤さんは、ロサンゼルス地域に杉原氏からのビザを受け
た人が生存していることを知らされた。「会うことができれば感無量。ぜ
ひ見に来てもらい杉原氏をもう一度思い出し、(芝居を通し)会ってもら
えれば光栄」と期待を寄せる。杉原氏の功績は生前認められなかっただけ
に今回の受賞を「社会で支持されていますよ」と同氏の墓前に報告すると
いう。「受賞も演技も杉原氏に代わっただけで私はただの『媒体』です」
と初心を貫く。
(永田潤、写真も)
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