新生JRAが船出:
上地新会長、改革に意欲
「他州と交流し全米普及を」
2009年2月14日

鏡割りをするJRA役員と来賓ら
上地勝也新会長の下、改革に向け改称した「米国日本食レストラン協会
(JRA)」(旧南加日本食レストラン協会)は1月26日、キョウト・
グランドホテルで2009年度総会と創立10周年記念祝賀会を催した。
上地会長は、協会の活動を全米規模に拡大するという大きな目標を掲げ、
参加者約190人が新生JRAの船出を盛大に祝った。
上地会長は就任のあいさつに立ち、改革に取り組む強い意欲を示した。
10周年を機に協会名を「Japanese Restaurant Association of
America」に改めたことを報告。「日本食を南カリフォルニアのみならず
他州の同業者と手を組み質を高め全米に広めたい」と決意を新たにし、目
標達成のための支援を求めた。
公約を実現できず「申し訳ない」と詫びる前任者から改革を託された上
地会長。「会員増強と特典充実」「日本食の全米普及に向けた活動」「情
報発信・交換のためのインターネットの有効利用」を重点的に推進する。
式典では、過去10年の活動や功績をビデオを鑑賞し振り返り当時を懐
かしんだ。
協会設立には訳があった。発足の1、2年前から、日本食レストランの
多くが衛生局の出すさまざまな不可解な要求に悩まされていた。衛生局
は、店内の衛生状態をA、B、Cなどで格付けしたが、当初は明確な基準
がないままで決めたという。熱処理しない刺し身など生の食材を多く使用
する日本食。異国の食文化を正しく理解せず、ただ改善を指示するだけの
検査官に「いじめられた」などと多くが嘆いた。
微力な個人では解決できない問題に、店主らは「束になってかかってい
く」と立ち上がった。1999年に協会を設立し組織化、団体交渉に打っ
て出た。検察官を教育する形で食文化を理解させ、融和を図り諸問題の解
決に努めた。
すしでは人肌で握る酢飯の温度を下げ、製造後4時間で廃棄するという
指導もあった。JRAは農水省の支援を得て、科学的なデータを提示し安
全性を実証。交渉開始から5年かけ要求を撤回させ、伝統の食文化を守り
抜いた。
衛生局との良好な関係構築に留まらず、衛生向上、レストラン起業など
を目的とした各種セミナーや「日本食の祭典」を開き日本食レストラン業
界全体の底上げを図っている。さらに、敬老ホームを慰問し、すしを振る
舞うなど慈善活動にも力を注ぐなどし幅広く活動している。
席上、来賓の代表者が祝辞を贈った。在ロサンゼルス日本国総領事館の
平中隆司領事(農水省から出向)は、日本食の世界普及を切に願いJRA
の活動を見守る。スピーチでは協会の業績を称賛し、再び問題が起こった
時には「正確な情報を集め、迅速な対応を」とアドバイス。経営者や板前
など非日本人化が進む同業会だが、「日本人の果たす役割は高まる」と力
を込め、「日本食業界の先頭を走って下さい」とエールを送り継続した支
援を約束した。
ロサンゼルス郡衛生局のテランス・パウエル局長は、同局がJRAとコ
ミュニケーションを図れたことを成果だとした。局長はまた協会発足時を
知り、「10年前よりもたくましくなった」と成長を喜んだ。
JRA初代会長で名誉顧問を務める今泉輝雄さんは、JRAの発展には
「他人種を積極的に入会させること」と提言。また、カリフォルニア・レ
ストラン協会などと手を組んだ横のつながりの重要性を説いた。
交流に力を込める上地会長。現在JRAの会員数は85店で今年中に2
00店に増やす目標を立てており、「会員と役員の協力を得て力を合わ
せ、米国のみならず日本の調理師会などと交流し輪を広げ、米国全域、世
界中に日本食を広めたい」と意欲を燃やす。
【永田潤、写真も】 |