人間の心を学ぶ2:
あなたは何を感じている?
2008年6月20日
佐々木浩一
簡単に前回の内容をおさらいしてみよう。人間的な成長は、「自覚す
る」ことから始まる。気づき、そして気づきのシェア、自分自身が感じた
ことを言葉で表現し、相手に伝える。自分の感性によって気づき、得たも
のを他者と共有することは、喜びである。この喜びを何度も味わいながら
人は成長してゆく。
さて、読者からこのような意見を頂いた。「自覚する、気づくと言って
も何に気づけと言うのか?」「そもそも日常の中に、あらためて自覚した
り気づいたりするような目新しいものなんかない」。あなた自身どのよう
に感じているだろうか。
これには、その人の「ものの見方」がかかわってくる。私は、その人が
もつ特有の「ものの見方」を「世界観」とか「パラダイム」という言葉で
表現している。「世界観」や「パラダイム」は、その人の考え方や感じ方
の「前提条件」である。多くの人は、このような「前提条件」があること
を意識していないかもしれないが、誰もが自分特有の考え方や感じ方の基
を成す世界観を持っている。これは、「色眼鏡」に例えて話される。自分
が色眼鏡をかけ、色のかかった現実を見ていることに、多くの人は気づい
ていない。そして、恐ろしいことに色眼鏡をかけていない人はいない。
色眼鏡は、時には物事の判断基準として用いられ、善悪や好き嫌いを判
断する基準となっている。自分にとってOKでも相手にとってはOKでは
ないことなど、普段の生活の中で出会うはず。そんなとき、「なぜ?」
「どうして?」「あり得ない!」と言って相手を批判しがちなのが、私た
ち人間の特徴。眼は外側に向いてついているから、仕方がないと言えば仕
方がない。でも、対人関係を上手に構築できる人は、全く違ったアプロー
チをしている。
第1に、彼らは、自分が色眼鏡をかけていることに気がついている。第
2に、自分がかけている色眼鏡の色や形をよく知っている。第3に、色眼
鏡を外したときに見える景色を意識している。でも、彼らはどうやってこ
んなことできるようになるのだろう。
ここからが今日の本題。キーワードは、「考えている自分」と「感じて
いる自分」。あなたは今、この記事を読みながら、何を考えているだろう
か?「へ〜、なるほどね」「ああ、これ知ってる」などなど。では、今、
この記事を読みながら、あなたは何を感じているだろうか?この質問に、
さっと応えられる人は、私は今までほとんどあったことがない。それも無
理はない。だって、「考えている自分」と「感じている自分」の区別がつ
かないのが普通だから。言葉で説明すると、非常に難解だが、1度そのコ
ンセプトを理解すると、まさに世界観が変わる。「ものの『見方』」がシ
フトした結果、「ものの『見え方』」が変わる。
考えるということは、何か考える対象がある。その対象は、必ず「過
去」か「未来」に関することか、まったくの「空想」のいずれかである。
逆に、感じるということは、「今、この瞬間、ここで」起きていることに
関する感覚である。この二つ(「考える」「感じる」)の違いを、今、あ
なたに知ってほしいと思う。そのために、しばらく目を閉じて、自分自身
と向き合ってみてほしい。「私は今、何を感じているのか?」。それは今
ここにある感覚だろうか?「私は今、何について考えているだろう
か?」。こうして、自分に問いかけてみよう。自分が考えをめぐらせてい
る対象は、今ここで起きていること?それとも、今の一瞬「前」のこと?
自分に関する新しい「気づき」はあった?
信頼関係構築トレーナー
佐々木浩一
Ks0501@gmail.com
本稿はあくまでも人の一般的な成長の仕組みです。個別の課題について
は遠慮なくご相談ください。
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