Browsing: 祖父

磁針
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 「助けてくれー」。深夜の病棟に響き渡る男性のうめき声。眠りについていた祖父だったがとたんに目を覚ましこう叫んだ。「待ってろー。今助けに行くから!」。すぐさまベッドから起き上がろうと私の腕をつかみ言った。「起こしてくれ。今から奴を助けに行く」  病院で寝たきりになっていた祖父だったが、こんなにも力が残っていたなんて、子どもだった私は驚愕した。

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 子供の頃に食べていたものが無性に懐かしくなる。「おふくろの味」というやつだ。終戦直後だったし、贅沢なものは食べれなかった。そんな中で母が作ってくれた「水餃子」は私にとっては最高のご馳走だった。  東京・牛込育ちの母がなぜ、餃子が得意だったかというと、私の父方の祖父が大連市長だったこともあって母は引き揚げてきた祖母から本場の餃子の作り方を伝授されたからだ。