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 その日のことは今も鮮明によみがえる。  日本に到着してほどなく、久しぶりに会った親戚と銀座三越の9階で昼食を終えたばかりの時だった。天井からつるされた照明器具がブーンと左右に揺れはじめ、窓の外を見るとクレーンが大きく揺れていた。揺れが止むのを待って一階へ降り、とりあえず喫茶室に座り込むと、余震のたびに「皆さん、テーブルの下へ」とウエートレスの声。

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 連休中に東京に戻るつもりだったのに、そんな状況ではなくなってしまった。万が一感染したら東京だと医療機関が逼迫しているし、地方にウイルスを持ち帰るのも心配だ。  東京、大阪、福岡など11都府県に2度目の緊急事態宣言が出た。しかし「自粛疲れ」なのか慣れなのか、人々の危機感は前回ほどではないという。

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 アメリカに戻る前に再度福岡の実家に帰省すると、黄金色となった田んぼを紅い彼岸花が色どる景色がそこここに広がる秋となっていた。ここ数日、この秋色の中を走るバスに乗って、私は母のもとに新聞を届けている。  もうすぐ98歳になる母は、椅子から立ち上がろうとして転んで動けなくなり、救急車で病院に搬送された。

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 帰省中の日本の夏はコロナと熱中症対策で終わるかと思えたが、9月に入ると立て続けに9号10号と台風が登場し、ニュースも台風一色となった。  特に10号は、その大きさと強さが並はずれているとして、気象庁と国土交通省が共同で異例の記者会見を開き、「(鹿児島上陸12時間前には)特別警報発令の可能性がある」と発表。

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 新型コロナの影響で春場所(3月)は無観客開催、夏場所(大阪場所、5月)はキャンセルとなった大相撲は、通常なら名古屋場所の7月を東京・両国の国技館で観客数を制限して行われ、再入幕の元大関、照ノ富士(てるのふじ)が千秋楽に二度目の優勝を決めた。  照ノ富士を応援していた妹は、大喜び。

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 今まで興味はあったものの「面倒くさそうだ」と無視していた蕎麦(そば)打ちに挑戦した。そしてやっぱり失敗した。しかも続けて2回。  最初からうまくいくとは思わなかったが、蕎麦のはずが見た目滑らかではあったがゆで上がりがゴツゴツのうどんみたいになった。

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 古賀野々香さんが昨年半ばから1年間ワシントン州リッチランドのハイスクールに留学した際、その学校のロゴに原爆のキノコ雲が使われているのを目の当たりにしショックを受けた。長崎の原爆に使われたプラトニウムを製造した街リッチランド。終戦を早め多くの米兵の命を救った原爆が製造されたことを誇りとするリッチランドのハイスクールの学生達に、古賀さんの視点からのビデオを作制し公開した。

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 シアトルを発って日本へ。この春も、私たち夫婦の3カ月の介護の旅が始まった。  福岡の私の母は、95歳。この数年は、車で1時間ほどの所に住む妹が実家に通ったり泊まり込むなどして、ひとり暮らしの母を支えている。高知の夫の両親は、94歳と91歳。同居中だった義妹が2人の毎日を支えるようになって4年になる。

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 これまで時々活字で目にすることのあった、日本の「ふるさと納税」。思いがけなくも今回、熊本地震でその制度に接することになった。  熊本地震で地すべりや阿蘇大橋の崩落など南阿蘇村の立野地区に大きな被害が出たとの報道に、真っ先に浮かんだのは友人の実家のこと。

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 ここ数年、家庭の事情で日米間を数カ月単位で移動している私たち夫婦は、この『磁針』原稿の送信をはじめ、仕事のほとんどをインターネットに頼っている。困るのは、介護のために福岡の実家に滞在する時だ。92歳の母は、コンピュータとは無縁の暮らし。

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 現在、カリフォルニアでは長年の雨不足で節水を義務付けられている。その義務の徹底化のために大金をつぎ込んでいるようだが、その費用の一部で「水工場」の建設はできないものだろうか。  もう何十年も前にすでに子供用の科学雑誌で、アフリカの「砂漠緑化」のために水プラントを建設し海水から真水を作り出す、いわば「水工場」を建造するという特集があった。

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