ハグしなくなった米国人
スモッグが去ってからどのくらい経っただろうか。澄み切った青空。3月の日がまぶしい。毎朝、2匹の愛犬と散歩する。変わったのは空だけではない。行き交う人もすっかり変わってしまった。 マスクで顔を覆い、数メートル前からこちらを避けて通り過ぎる。1年前には、「Good morning」とか「Hi」と手を挙げてあいさつしていたアメリカ人は知らん顔で通り過ぎていく。
スモッグが去ってからどのくらい経っただろうか。澄み切った青空。3月の日がまぶしい。毎朝、2匹の愛犬と散歩する。変わったのは空だけではない。行き交う人もすっかり変わってしまった。 マスクで顔を覆い、数メートル前からこちらを避けて通り過ぎる。1年前には、「Good morning」とか「Hi」と手を挙げてあいさつしていたアメリカ人は知らん顔で通り過ぎていく。
レイクウッド在住のノンフィクション作家渡辺正清さんが、「カリフォルニアのワイン王」と称される長沢鼎(ながさわ・かなえ、本名磯長彦輔、1852―1934)の評伝を昨年末に出版した。約150年前に遡る幕末の鹿児島から英国、ニューヨーク、北カリフォルニアと長期にわたって長沢の足跡をたどり、徹底的に取材した。「とにかく、すごい男」と言い表す渡辺さんは本紙に長沢の逸話を語り、日本を出て異国で暮らす在米日本人は長沢と境遇が同じだとし「それぞれの立場で読んでほしい」と希望している。【永田潤】