ピルグリム学校:日本文化を体験学習ー本格プログラムを5日間

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手巻きずしに挑戦する児童ら

 ロサンゼルス・ダウンタウンにある私立ピルグリム学校(1958年創立)は、冬休み明けの新学期第一週目の4日から8日までの5日間、キャンパス内で「ゴールデン・ウィーク」と題した日本文化の体験学習プログラムを行った。日本食卸業の共同貿易社長の金井紀年・富佐子社長夫妻がスポンサーとなり各分野のエキスパートを講師に招いて、幼稚部から高校部までの生徒約300人が17教室で本格的に学んだ。

「ゴールデン・ウィーク」を企画した(左から)中村さん、ブルックス校長、金井さん

 マーク・ブルックス校長は、日系の大手自動車メーカーに9年間勤務した間に日本駐在を約1年経験。親日家を公言し「豊かな文化を生徒たちに学ばせたい」との強い思いを同校に通う金井梨佐ちゃん(8)の祖父の金井さんに相談し支援を求めた。
 金井さんは本業の日本食をはじめ「文化を軸にした教育(啓蒙)」に力を注いでおり、人種において全米で有数の多様性を誇る同校の教育理念に合致した。プログラムは日本文化に精通した歌舞伎俳優の中村雁京さんがコーディネイト。日系社会を中心に優れた技能を持ち、生徒に基礎を正しく教えることができる英語に堪能な指導者が集められた。日本語、書道、茶道、生け花、墨絵、詩、押し絵、折り紙、アニメ・漫画、民謡、すし、柔道、剣道、空手、侍文化、日本舞踊、仏教の17教室。

太鼓の発表会で学んだ集大成を披露する

 生徒は日本文化初体験者がほとんど。指導を真剣に受け、作品作りや歌唱、楽器演奏、踊りなどそれぞれのクラスで目を輝かせながら没頭。作品を宝物のように大事に扱っていたのが印象的だった。武道では整列し正座をしての黙想、相手に対する敬意など、武道の精神も学び取った。
 お気に入りの赤い振り袖を着てプログラムを受けたマデリーン・カナザワさんは、「楽器演奏が好きで太鼓と民謡を楽しめてよかった。日系4世として日本文化を学ぶことができ誇りに思う」と話した。
 生徒は他ではまず受けることができない高度な指導による貴重な体験を積んだ。同校は日本語を週15クラス教えている。また、毎年の春休みに訪日プログラムを実施しており、今年は11人の生徒が参加を予定。同イベントを機に「日本文化をもっと習いたい」「また来年も」とのプログラム開催のリクエストが多く聞かれ、放課後には民謡の虜になった生徒が「よー踊るー」などと歌詞を口ずさんでいた。
 ブルックス校長は「金井夫妻との文化紹介に対する考えが一致し、実現できた」とし、奉仕で熱心に指導した講師に謝意を表した。
 金井さんは同プログラムの成功に対し「学校と父母の全面協力が得られ、生徒も喜んで受け入れてくれた。(家族で渡米した)45年前には考えられなかったこと」と、日本文化が理解されたことを一番に喜んだ。生徒に向けては「学んだ日本文化を役立ててほしい。成長を楽しみにしている」と励まし、「文化は植え付けなければならない」と力を込め、ライフワークという食を中心とした日本文化の普及に意欲を燃やした。【永田潤、写真も】

松豊会の佐藤松豊さんの手ほどきで民謡教室。三味線を演奏するマデリーン・カナザワさん(右)ら


気合いをいれた空手教室(写真左)と書道は漢字を上手に揮毫する生徒が多く見られた。吉見愛子さんの指導(同右)

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