映画「はりまや橋」:26日から1週間公開へ

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 「オーロラ日本語奨学金基金(阿岸明子代表)」はこのほど、映画「はりまや橋」の上映会を日米劇場で開催した。作品は2002年の「オーロラ・チャレンジ・グラント」受賞者のアロン・ウールフォークさんが監督、脚本。上映会は今月末封切りの同作品(ELEVEN ARTS 配給)の試写会も兼ねており、質疑応答では監督と出演者が一般参加者や映画関係者の質問に答え、制作の動機や映画に込めた情熱を語った。会場を埋めた参加者から高評を得、26日からの公開へ弾みをつけた。
 ストーリーは、あるアフリカ系米国人が英語教師として高知で暮らし、交通事故で他界する。訪日した父親は以前から反日派だったが、息子が地元の人々に可愛がられていたことを知り嫌悪感は薄れていく。さらに、息子には日本人との間に生まれた娘がいることも分かり、果ては日本に住むまでに心を開く。
 日本人は依然、交際や結婚で黒人相手だと偏見を抱き、周囲や親は認めようとしない。映画では、よさこい節に歌われている江戸時代に交際を禁じられた僧侶と一般女性がはりまや橋で恋に落ちた話と、黒人―日本人の「禁断の恋」を関連させ巧みに描写している。
 監督は映画の登場人物と同様にアフリカ系で高知に住み英語教師(JETプログラム)を務めた経験を生かし、日本の美しさ、人々の温かさを描き、国境を超えた家族、自己発見を表現。1人ひとりが心の「橋」を渡る、胸を打つストーリーに仕上げた力作である。
 短編2作品で成功を収めた監督にとって、今回が初の長編映画。黒人が主演し黒人が監督を務めるが、ヒップホップやラップとは大きく異なることを強調。「人種、国籍にかかわらず、誰にだって起こり得る美しい(純愛)ストーリー」であると訴える。「日本とアメリカの両国の人々に見てもらうために作った」と力を込める。
 江戸時代に高知の市街地に作られ、悲恋の言い伝えを持つ「はりまや橋」が、日米の文化を理解した1人のアフリカ系米国人監督の目に留まった。小さな橋は太平洋を越え、「日米の懸け橋」となる。
 映画は、スティーブン・スピルバーグ監督作「カラーパープル」に出演したベン・ギロリが主演。日本からは高岡早紀、清水美砂、穂のか(石橋貴明の娘)、白石美帆、山崎一など有名俳優を配し、それぞれが好演する。セリフのほとんどが英語で、日本語は土佐弁で会話し地方の雰囲気を出す細部にもこだわりを見せている。
 オーロラの阿岸代表は、ウールフォーク監督を「われわれの『卒業生』」と胸を張る。奨学金を授与し7年後に作品が発表され、草の根活動が結実したことが誇り。監督の活躍をオーロラにとって大きいとし、「これからの受賞者と、支援者、ボランティアスタッフに勇気を与えてくれ、励みになる」。試写会での反響に対しては「みんなに温かく見守られ、一緒に夢を見てきてよかった」と大喜びした。
 映画公開は26日(金)から4月1日(木)までの1週間。チケットは10ドル、前売り7ドル。日系書店で発売中。紀伊國屋書店(小東京店)、旭屋書店(ソーテル店)、三省堂書店のほか、上映劇場のホームページでも購入可能。
 www.laemmle.com/viewtheatre.php?thid=4
Laemmle’s Music Hall 3
9036 Wilshire Blvd.
Beverly Hills, 90211
 上映時間は曜日で異なり次の通り。
金ー 5:30, 8:15
土ー12:00, 2:45, 5:30, 8:30
日ー12:00, 2:45, 5:30, 8:15
月〜木ー 5:30, 8:15

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