石元泰博の写真展「桂離宮」:UCLAで21日まで開催

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石元泰博が撮影した桂離宮

 日本で活躍する写真家、石元泰博が京都の桂離宮を撮った写真展が先月末からカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の建築学部の施設内の「Perloff Gallery」で始まった。日本の王朝の雅を今に伝える桂離宮を個性的な視座で捉えた白黒作品の50点を紹介。モダンな造形性を有する石元の作品を通して、桂離宮という日本美の精緻をクローズアップする。展示は今月21日(金)まで。

石元の作品を鑑賞する来場者

 建築学部都市デザイン学科長の阿部仁史教授は、桂離宮を「17世紀の建物の中で最も美しく、職人魂がうかがえる」と称賛。後の世代に好影響を与えた作品だとし、生徒たちには「異文化の古いものから新しい何かを見つけ、今後に生かしてもらいたい」と期待を寄せる。一般来場者に対しては「建物の美しさを味わい、日本文化のすばらしさを理解してもらえれば」と述べた。
 阿部教授の下で学ぶ大学院生イアン・クリストファー・トーマスさんは、「家と庭、すなわち建造物と自然の調和がとれている。また、すべてが機能的に作られている」と指摘。築300年以上の桂離宮を写真を通して鑑賞し、「自分もずっと長く後世に残る建物を設計したい」と、刺激を受けた様子で話した。

桂離宮の石畳の歩道

 大の京都ファンのエレン・バーメルさんは、1998年に桂離宮を訪れた。建物の中に入るには半年前からの予約が必要だったので、庭園のみ見学。写真展について「家に焦点を当てている。西洋のリッチな装飾と異なり、和室はシンプルで落ち着きがある」といい、「また桂離宮に訪れたくなった。今度は家の中に入りたい」と話した。
 写真展は国際交流基金(ジャパンファウンデーション)ロサンゼルス日本文化センター(菅野貢輝所長)と同校建築学部が同基金の文化事業の一環として共催。
 展示会場はUCLA建築学部のPerloff Gallery(1317 Perloff Hall, Los Angeles, CA 90095)。入場無料。開館日は月曜から金曜までの午前9時から午後5時。駐車場は10ドルのロット3が便利。
 問い合わせは、電話213・621・2267。
 www.aud.ucla.edu
▽桂離宮
 17世紀に八条宮家の別荘として造営された近世皇族の雅を現代に伝える貴重な建造物。書院、茶屋、回遊式庭園からなる桂離宮は海外からも絶賛され、装飾を排した簡素な建築美はモダニズム建築の造形美にも通じるとして評価されている。 
▽石元泰博
 1921年、シカゴで生まれ日本で育つ。シカゴのインスティチュート・オブ・デザインにて写真を学び、帰国後モダンフォトグラフティの真髄を日本の写真界に伝え、現在も精力的な活動を展開している。

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