観水流米国錦友吟詩会:三代目宗家が竹之下観水を襲名―創立80周年記念祝賀吟詠大会も

0

錦友会の幹部と来賓が並んだ記念撮影


あいさつに立つ竹之下観水宗家

 1930年に初代宗家の榧本観水師が結成した観水流米国錦友吟詩会(本部理事長・境田雷水師)は16日、モンテベロのクワイエットキャノンで昨年、第三代宗家に就任した竹之下観水師の襲名披露と創立80周年記念祝賀吟詠大会を開催した。カリフォルニアの北、中、南地区と岡山の26支部から代表ら150人が集結、宗家の下で吟に励むことを誓い、初代宗家から脈々と受け継いだ伝統を守り抜くことを誓った。
 南加で設立した同会は、初代宗家の指導で会員は稽古に励み大会を催すなどし発展を続けた。だが、1941年12月に開いたウエストLA仏教会での温習会の翌日、真珠湾攻撃が起こった。太平洋戦争開戦により強制収容所で2年間過ごした宗家は、その間も活動を継続し会を守った。師範にまで育て上げられた弟子は戦後、加州各地区で、さらには岡山にも支部を設立。規模を広げて詩吟の普及に努めてきた。
 活発に活動し隆盛期には、1200人を超えるまでに会員数を誇った。現在は約200人に会員は減ったものの、向上心を抱き続け自らの吟道を進む。各地区で大会を開くほか、吟友同士の結束は固く本部主催で毎年盛大に催される春季大会に参加している。

坂崎秀水師範(右)の吟と坂東拡三也の吟舞

 今回の記念式典では、宗家襲名と創立80周年の二重の喜びに沸く中、塩屋鏑水・北加地区理事長の先導による錦友会会詩の大合吟で活気づけ、各地区が合吟を披露。横のつながりを重んじる同会は、南カリフォルニア詩吟連盟に加盟しており、盛んに交流する他流派―尚道会、錦声会、国誠会、国風会、菁吟会、国総会を招待。各会主もまた、来賓吟詠として朗々と吟じた。
 吟を披露した竹之下宗家はあいさつに立ち、吟に初めて出会った時に感じた身震いと吟に引きずりこまれる思いをした体験を紹介。詩吟には「どんな苦しみも跳ね返す力がある」と力説し、「吟じた時の感動や吟に対する感動を会員と吟を志す人に伝えたい」と述べた。
 祝賀詞では、吟舞が演じられ記念大会に花を添える中、伊原純一・在ロサンゼルス日本国総領事、谷口国瑞・南加詩吟連盟理事など来賓のメッセージや祝辞が祝賀ムードをいっそう盛り上げた。
 何百年も前に書かれた詩を吟ずる。その魅力を竹之下宗家は、「訪れたことのない景色が現れ、坂本龍馬や西郷隆盛など歴史上の偉人にも出会え、その思想を味わうことができる」と力を込める。
 竹之下宗家は、初代宗家を「仁の心が厚かった」と尊ぶ。初代宗家の「人の情に訴える吟を聞くと何も忘れ、その情景が浮かんできて吸い込まれる」。「初代の吟風を大事にし、一歩でも半歩でも初代に近づき、初代から受け継いだ『遺伝子』を次の世代に伝えたい」。【永田潤、写真も】

乾杯する参加者ら。左が竹之下宗家夫妻

Share.

Leave A Reply