宇宙飛行士山崎さんが講演:少年少女に夢と希望与える

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訓練用の耐火スーツに身を包み、講演する山崎直子宇宙飛行士

 今年4月にスペースシャトル・ディスカバリーに搭乗し、16日間の国際宇宙ステーション(ISS)滞在を果たした宇宙飛行士の山崎直子さんが自宅のあるヒューストンから家族とともにロサンゼルスを訪問し25日、ラグナウッズの劇場で「宇宙からのニューメッセージ」と題し講演を行った。
 山崎さんは、当地の教育NPO法人「Live Forum Foundation USA」 に招かれ、日本語学校の生徒ら800人を超える聴衆を前に英語で講演した。小学生の頃に抱いた「宇宙へ行きたい」という夢を叶えるまでの道のりを紹介し、「宇宙は無限の可能性を秘めている」「広い価値観で見ると、物事が広く見える」などと興味を持たせ、少年少女に夢と希望を与えた。
 映画「スターウォーズ」やアニメ「宇宙戦艦ヤマト」などの影響で宇宙に関心を持った少女時代、候補となってから11年間待ったスペースシャトル搭乗までの準備期間、打ち上げ、宇宙での作業と生活、帰還してミッションを遂行させるまでを分かりやすく説明した。
 「いよいよ」と、待ちわびていた宇宙に向けての発射。ビデオを使って、振動などの船内の緊迫感を伝えた。わずか8分30秒ほどで宇宙に到達したという。3日目にISSに到着。ISSはサッカー場(100メートル×75メートル)ほどもある広さで、秒速3センチでドッキングし先に滞在していた野口聡一さんに対面した。

山崎宇宙飛行士は子どもたちに優しく語りかけた

 さまざまな職種のスタッフが専門の各分野を受け持ち、エンジニアの山崎さんはロボットアームを操作。無重力では筋力低下、骨の密度も低くなる。そのメカニズムをより深く知るため、実験用の15匹のネズミでデータを測定した。13人で作業を行い「チームワークが大切」と強調した。
 地球から400キロ離れた軌道を周回するスペースシャトルは、音速の25倍という秒速8キロ(時速2万8800キロ)で進みたった90分で一周。太陽が45分毎に見え隠れし、昼と夜が入れ替わるという。
 体が宙に浮く無重力は、子どもたちの興味をそそった。山崎さんは、球状となって空中に漂う水の中に塩漬けの桜の花を入れて一口でパクリ。会場は笑いに包まれた。  
 作業の合間を縫った束の間の自由時間には、スタッフと記念撮影したり尺八の野口さんと合奏を披露し、琴で「さくらさくら」を奏でるなどした。すしパーティーも開き好評を得た。「どこでも寝られる」と話す山崎さんは、寝袋に潜り込んで安眠できたという。
 宇宙からの地球の絶景―都市の夜景、夜明け、日の入り、雷、オーロラ、ミシガン湖、母国日本列島を眺め満喫。ただ、歯を磨きゆすいだ水を吐き出さずに飲み込むことは辛かった。
 世界15カ国が参加するISSプロジェクト。メンバーはさまざまな国の出身者からなり「ミニチュアの地球のよう」と表現。空気そして、尿までもリサイクルし飲料水に還すなどし生活する。「地球の環境を凝縮したよう」とし、これらの科学を駆使させて「地球を存続させる技術につなげたい」と意欲を示した。
 女子生徒の質問「宇宙飛行士になるには」に答えて、人類で初めて宇宙に行ったガガーリンのように初期の宇宙飛行士は軍人ばかりだったがその後は、研究者、エンジニアなど職種が広がったという。将来の月や火星などの長期ミッションでは、違った技術が求められると予想し「自分が宇宙で何ができて貢献できるのかを考え、自分の強みや専門を伸ばしてほしい」と優しく語りかけた。可能性を秘めた「未来の宇宙飛行士たち」に向け、オニヅカ飛行士の言葉を引用しながら、「大きく羽ばたいてほしい」と勇気を与えた。【永田潤、写真も】

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