雅押絵研究会米国支部:5人に師範免状授与、10月に30周年記念展示会も

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(後列左から時計回りに)佐藤さん、タケモトさん、熊谷さん、チャンさん、木原支部長、石郷岡さん


 1200年の歴史を持ち、その昔、茶道、華道と並んで三大花嫁修業の一つといわれた「押絵」を指導し、今年で30周年を迎えた「雅押絵研究会米国支部」(木原静玉支部長)は21日、トーレンスの日本食レストランで師範免状授与式を催した。会場では、長年指導を受けてきた生徒5人に、木原静玉支部長から師範免状が授与された。
 師範となったのは、カリーナ・チャンさん、ジョアン・タケモトさん、佐藤真弓さん、石郷岡英子さん、熊谷由紀さんの5人。
 木原さんは、「生徒には、作品作りやそのセンスに限らず、作業を通じて『辛抱』『奥ゆかしさ』『女性の品格』『日本の歴史や文化』を学んでもらいたかった」と述べ、「この5人は見事にそれを習得した」と目に涙を浮かべながら一人ひとりに心を込めて師範免状を手渡した。
 以前から日本文化に興味があり、ふと訪れた木原手芸店で見かけた押絵に魅了されたと話すチャンさん。「その芸術性と創造性に一気に引き込まれていった」と振り返る。師範になったことについては、「一つの節目となったが、これで終わりではない。ここから始まる」とさらなる意気込みを語った。
 3世のタケモトさんは、「日本文化を学ぶいい機会になった」。また、小さなパーツの生地を選び、周りとのバランスを考えながら貼り付けていく押絵の作業を、「人生と同じ」と表現。「やっている時は細かいことでも、でき上がってみると一つの人生としてまとまっている」とその魅力を語った。
 手芸がもともと好きだと話す佐藤さんは、押絵を始めた理由を、「アメリカにいるからこそ、日本のものが懐かしく感じる」と述べ、作業に取りかかっている時間は、「無心になれるとても貴重な自分の時間」。免状を手にし、とても名誉あるものと喜んだ。
 また、押絵の奥深さに引き込まれたと話す石郷岡さんは、「師範免状をいただき、次のステップに進める力をもらった」。一つの作品を作り上げる喜びが忘れられないと、今後も意欲的に続けていくと抱負を述べた。
 押絵を以前見たことがあったと話す熊谷さんは、「まさか、自分で作れるようになるとは夢にも思っておらず、感動した」と当時を振り返り、今でも作品を作り上げる過程を楽しんでいるという。

5人からプレゼントされたネックレスを着けてもらう木原支部長


 式典を終え木原さんは、「感慨深い」と30年を振り返った。指導した生徒は日系、非日系1000人以上。今年で30人の師範を出し、孫弟子は30人以上に上る。「アメリカという地で、日本最古の手芸といわれる押絵を継承できることに深い喜びを感じる」と、5人の成長を喜んだ。
 5人は、サプライズで木原さんにネックレスと感謝のカードをプレゼント。「先生は個々の実力を引き出してくれる。私たちがここまでこれたのはすべて先生のおかげ」と声をかけられると、再び目に涙を浮かべた。
 雅押絵研究会米国支部は10月2日(土)午前10時から午後8時まで、トーレンスのミヤコ・ハイブリッドホテルで「創立30周年記念展示会」を開催する。会場では、師範となった5人の力作が発表されるほか、押絵のみならず、木目込み人形など木原さんの作品も展示される。
 展示会および押絵教室の詳細は木原さんまで、電話310・538・5447。ウェブサイトは、www.kihara-craft.com
【中村良子、写真も】

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