サンタアニータ競馬場:「東京シティカップ」開催―大井競馬場との「絆」確認

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2着に半馬身の差をつけて東京シティカップを制したワース・リピーティング(右先頭②)

アーケディア市のサンタアニータ競馬場は26日、春恒例の東京・大井競馬場との友好提携を記念したレース「東京シティカップ」(第7レース、ダート1・5マイル・GⅢ、賞金総額10万ドル)を開催した。マーティン・ペドロサが騎乗したワース・リピーティングが優勝し、賞金6万ドルを獲得した。
 サンタアニータと大井の両競馬場は16年間にわたる友好の「絆」を確認。東京シティカップを記念し、伝統の日本文化などを紹介する特別イベント「ジャパン・ファミリーデー」が今年も開かれた。また、東日本大震災の犠牲者への黙とうが捧げられ、各所で救済募金が行われた。【永田潤、写真も】
 
ワース・リピーティングが優勝
ファミリーデーで日本文化紹介
東日本大震災の犠牲者へ黙とう

飛び入りのちびっ子に押し出される巨漢力士

 ワース・リピーティングの優勝で幕を閉じた東京シティカップ。レース開催を記念して開かれた日本文化の紹介イベント「ジャパン・ファミリーデー」は、茶道や華道、書道、盆栽、相撲、空手、太鼓と三味線、琴演奏、舞踊、おりがみ、祭り、観光案内のほか、すしやお好み焼き、たこ焼き、ラーメンなどの食文化も紹介し、競馬ファンを楽しませた。東日本大震災の犠牲者に対しては、参加者が哀悼の意を表して黙とうを捧げ、募金活動には惜しまず協力した。
 優勝したワース・リピーティング。序盤は先行馬が飛ばし、その後は先頭が入れ替わる中でもペースを守りピタリと2番手で追走。終盤に混戦となったものの、最終コーナー手前で先頭に立つと差を徐々に広げ、2着に入った日系の人気ジョッキー、コーリー・ナカタニが乗ったオナー・ザ・デュプティの猛追をかわし、半馬身の差を着けて優勝(2分29秒23)を飾った。
 大井競馬場の市川聡さん(広報担当課長)は「2頭が最初から飛ばし、他が追って接戦になり、いいレースだった」と話した。最後のストレートでは「『ワアーッ』という大歓声で盛り上がった。大井と同じ感じの応援で鳥肌が立ち、楽しかった」と話した。同競馬場は震災の影響を受け、

両競馬場の代表ら。左からサンタアニータのガッターマン副社長、ペドロサ騎手、大井の市川聡、木村洋之の両氏

レースの開催を見合わせている。市川さんは、サンタアニータ側から「頑張ってほしい」との励ましの言葉を掛けられ「勇気づけられた」といい、レース再開へ意欲を示した。
 木村洋之さん(競争企画係長)はウイナーズサークルで、ペドロサ騎手に「おめでとう。ぜひ、日本に来て下さい」と8月開催のサンタアニータ・トロフィーへの参加を誘い「もちろん、行きたいよ」といい返事を得た。木村さんは「騎手には、今回の勝ち馬と一緒に来てほしい」と願った。
 サンタアニータのアラン・ガッターマン副社長は、友好提携について「日本語の大井と英語のサンタアニータは話す言葉は違うが、共通点『ホースレース』でつながっている。競馬がある限りいい関係は自然に続いていく」と述べ、両競馬場は今後も交流をいっそう深めていくことを誓い合った。
 
侍、被災し参加できず
日本の復興へ募金活動

 昨年まで9年連続でジャパン・ファミリーデーに参加した福島県南相馬市に1000年以上もの昔から伝わる「相馬野馬追」。その鎧兜に身を固めた侍の勇姿は、今年は見られなかった。大震災で町が壊滅的な被害を受けたためだ。

募金ブースで寄付を呼び掛けるボランティア

米国側の関係者によると市の職員とは震災の翌日に連絡がついたものの、訪米経験のある他のメンバー数人の安否は確認されておらず、心配している。予定していた侍のブースでは南加日米協会が代わって募金を行い、多くの寄付金を集めた。
 日本国総領事杯のレース前には、参加者全員で犠牲者に黙とうを捧げ、被災地の復興を切に願った。君が代をトランペットで追悼演奏、総領事の馬車乗車は自粛された。伊原純一総領事のメッセージがアナウンスされた。総領事は、被災地への多大な支援に謝意を表しながら、日本がこれまで幾多の苦難と災害を克服したとし「立ち直ってみせる」と固く誓った。
 総領事杯のアナウンス前には、東京シティカップと毎年、同日開催されている世界最高賞金レース、ドバイワールドカップ(優勝600万ドル)で日本の馬が1、2フィニッシュを飾る快挙が、大型モニターに映し出され拍手が起こった。日本では震災後、明るい話題が少ないだけに「勇気を与えた」などと大きく報道された。

シエラマドレで太鼓演奏した林田ひろゆき

 東京シティカップの前夜には、サンタアニータ競馬場から数マイルのシエラマドレ市の集会所で日本文化紹介イベントが行われ、相撲の実演と太鼓が演奏された。参加者は、震災犠牲者を追悼。ジョー・モスカ市長は、市職員から集めた義援金860ドルのチェックを伊原純一総領事に贈ることを約束した。サンタアニータ競馬場は、義援金を送る予定。
 大井競馬場は今回、競走馬の売買仲介と移送業を行う日系資本の「USイクワイン」(本社ウエストレイク)と共同し、シエラマドレ市立図書館とがん専門病院「シティオブホープ」のがん撲滅プログラムに各500ドルを寄付した。

【写真左】空手の板割りに挑戦する少年【同右】子どもたちがステージに上がり民謡を歌った


祭ブースでヨーヨーを釣り上げる子どもたち

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