日本舞踊「花柳流」:花柳若奈に「柳芳賞」、長年の功績により栄誉の受賞

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「柳芳賞」受賞式で、四代目家元・花柳壽輔(椅子席左)と花柳若奈(同右)。後列は新名取りとして花柳流総会で紹介された「米国花柳若奈の会」の花柳若優奈(左)と花柳若卯寛


 ロサンゼルス地区を中心に「米国花柳若奈の会」を主宰している花柳流の日本舞踊家、花柳若奈(本名・伊藤栄=79歳)はこのほど、「柳芳賞」受賞の栄誉に輝き、1月28日に東京会館(東京都千代田区丸の内)で開かれた受賞式に出席して四代目家元・花柳壽輔から表彰状と記念杯を贈られて、その功績が称えられた。
 柳芳賞は、160年の歴史を持つ花柳流のなかで、長年の功績が認められた人に贈られる栄誉ある賞で、今年の受賞者は5人。同賞は歴代花柳流家元の名前を冠した名誉ある賞であることから、「同派の中でも数万人に1人しか受賞できない尊い賞」とされている。
 花柳若奈は1948年から花柳流舞踊家および指導者として活動を開始し、舞台公演をはじめテレビや映画、商業演劇で活躍。海外でもテレビや舞台公演に出演し、家元も一目置く技術と才能で日本舞踊の魅力を海外に広めてきた。

マリナデルレイのレストランで開かれた「柳芳賞」受賞祝賀会で、門下生から祝福の花束を贈られた花柳若奈


 1997年以降はカリフォルニア州ロサンゼルス市の芸術振興会の支援を受け、LA地区で日本舞踊や日本文化の伝承および発展普及に尽力。毎年ロサンゼルス市文化局から贈られる助成金で日本舞踊の裾野を広げるためのワークショップ「アーティスト・イン・レジデンス・プログラム」を開いており、主に初級、中級者を対象に受講料無料で指導に当っている。また毎年、初夏には「夏のおどり」とワークショップ修了公演を開催し、門下生は数百名におよんでいる。
当地でも「柳芳賞」受賞を祝う会が門下生らで企画され、2月26日にマリナデルレイのレストランで祝賀会が開かれた。舞踊関係者や門下生ら約50名が出席して受賞を心から祝い、また、日本の門下生で構成される東京若奈会からも「花柳若奈先生は憧れの存在です。弟子であることが非常な誇りです」と、感謝のメッセージが送られてきた。
「柳芳賞」を受賞して花柳若奈は、「私はこれまで賞状というものには無縁で、小学校も空襲のため卒業証書がなかったほど。長く無冠の舞踊家として活動してきましたが、今回の受賞をとてもうれしく思っています。これから、いくつまで踊れるか分かりませんが、アメリカで日本舞踊の伝統を正しく伝えていく覚悟です」と素直に喜び、今後の抱負を語っている。
 喜寿を祝った09年の「花柳若奈舞踊会」に続き、来年の秋には「傘寿(80歳)記念公演」も予定されていて、花柳若奈は日本舞踊の普及のため、あくなき情熱をますます傾けていく。

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