東日本大震災:日本の復興へ支援策協議―LA市長と30団体が参加

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協議会で意見を述べるアントニオ・ビヤライゴーサ市長(中央)と伊原純一総領事(左)、アイリーン・ヒラノ・イノウエ米日カウンシル会長(右)

 甚大な被害を出した東日本大震災とその後の深刻な事態の被災地、避難者救援、原発問題など日本の復興支援を協議する目的に、ロサンゼルスのアントニオ・ビヤライゴーサ市長と米日カウンシル(アイリーン・ヒラノ・イノウエ会長)は共同し3月29日、日米文化会館に南カリフォルニアの支援団体の代表約30人とメディアを集めた協議会を開いた。【永田潤、吉田純子】

ユダヤ人協会からは、3万ドルの寄付があった

 日本政府を代表し伊原純一・在ロサンゼルス総領事がさらなる支援を訴えると、その必要性を重々承知する各代表者は、最大限の援助を確約した。多民族都市ロサンゼルスらしく、多様性に富んだ人種の代表者が出席し頼もしい顔ぶれが揃った。日本支援のために、日系はもとより、米系、アジア系、ユダヤ系、アラブ系から財団、教育、経済、法曹、慈善、福祉、人権、文化、宗教など各界の代表が出席し、独自の意見を述べ合った。
 ロサンゼルスで最も影響力のあるビヤライゴーサ市長の参加だけに、地元の有力紙やテレビ局などメディア各社がこぞって取材。その発言は、南加地区に住む何百万人という人々に伝えられ、支援の輪はいっそう広がることは確実だ。
 ボイルハイツで育ち、級友にも多くの日系人を持つ親日派市長。市を代表して会に参加した理由はシンプルだとし「日本で起こった計り知れない巨大地震と津波の惨劇になぜ関心があるかというと、ロサンゼルスを基盤に100年以上の歴史を持つ全米最大級の日系社会がある上に、米国とロサンゼルス、日本の関係は深くて長い歴史があるから」と説明。「ロサンゼルス市民の多くが、ロサンゼルスに大規模な投資を行う日系企業に勤めまた、日系企業と取り引きしている」と、官民の良好な関係を強調。被災地での救援隊や原発事故現場で前線に立つ作業員の活躍を称えた。「今日の協議会はわれわれの結束を固めるために討議する場だけでなく、友好の意志を示すインパクトのある機会だ」と呼び掛けた。

被災地でのレポートを語るデイビット・オノさん

 アイリーン・ヒラノ・イノウエ米日カウンシル会長は「未曾有の大震災を受け、ロサンゼルスでも国籍を問わず多くの人々が日本の被災者に支援の手を差し伸べ、義援金を呼び掛けるなどしている」と、これまでの支援活動を紹介。また今後必要とされているものは「長期的な復興支援」であるとし、各団体がともに手を取り合い協力し、サポートしていくことの重要性を訴えた。
 伊原純一総領事は、市長をはじめ参加各団体の代表者に感謝の気持ちを述べるとともに、いまだ多くの行方不明者がいる被災地の状況に触れた。日本政府も捜索活動や救援物資の輸送に懸命な努力を払っているが「日本で活動したLA郡消防局のレスキューチームをはじめ、米国中で義援金を集めるなどの支援活動を行う人々の懸命な取り組みが、被災地の人々にとって大きな励みになっている」と述べた。
 総領事はまた、現時点でのは被災地への救援物資の輸送、および受け入れ態勢は万全でないとし「義援金による支援が最も有益である」と訴えた。ロサンゼルス近郊でもさまざまなコミュニティー、団体が日本の被災者のために義援金を呼び掛けるなどの支援活動をする中で「日本との関係で必要なことがあれば総領事館としてもできる限り協力していきたい」と力を込めた。
 地元ニュース局、チャンネル7のアンカー、デイビット・オノさんは、震災直後に日本に渡り現地からレポートした。原発事故の影響から6日間で引き上げたが、福島の避難所で目にした、被災者の困難な状況下でも忍耐強さとマナーのよさが、大型ハリケーン・カトリーナとハイチ大地震と比べて印象に残っているとし「世界で起こった他の大災害とは規模が違う」と強調した。

南加県人会協議会の取り組みを話す比嘉朝儀会長(左端)と(左から2人目から)紙本・福島県人会会長、米澤・宮城県人会会長、保坂・岩手県人会代表

 南加県人会協議会の比嘉朝儀会長は、41県人会の中でも各々で義援金を集める会もあるが「県人会協議会でまとめて総領事館に義援金を渡し、被災地に送る取り組みが行われている」と説明。5月27日予定のチャリティーゴルフ大会と10月16日の親睦演芸会の収益の一部を義援金に充て、1年を通した募金活動を行うことを表明した。
 最も多くの犠牲者を出した被災地を代表し宮城、岩手、福島の各県人会の会長(代表)が起立して深々と頭を下げ、多大なサポートについて謝意を表した。福島のマイク紙本会長は「みなさんの支援について県庁に報告したい」と述べた。「地元の被災地は食糧や燃料が乏しく、インフラも整備されていなく地獄だ。人ごとではない」と緊急事態での救援を力説。募金運動を開始した岩手県人会の元会長の保坂華代さんは、多くのサポートに「涙が出る。ありがたい」と声を詰まらせた。宮城の米澤義人会長は「いまだに連絡がつかない人々も多いが、今われわれができることを最大限にしていきたい」と力を込めた。
 各団体は長年、日本や日系社会・企業と付き合いがあり、ある代表の「これは日本だけの問題ではない。世界の問題だ」の意思に異論はなく各人が、親身になって国際支援の必要性を訴えた。

30団体の代表が出席し日本の支援策を協議した

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