東日本大震災:日系主要団体が募金活動、支援の輪、社会に広がる

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 11日に発生した東日本大震災の被災者救済や被災地復興のための募金運動が、各国で行われ世界の人々が支援の手を差し伸べる中、ロサンゼルスの日系社会でも主要団体を中心に実施され多くの寄付が寄せられている。関連団体などが賛同し運動に参加。支援の輪は日系社会全体に広がりを見せ、母国日本を救おうとしている。
 募金活動は諸団体が救済のための各基金を設立して窓口となり、赤十字社やユニセフを通して義援金が送られる。さらに、日系のスパーマーケットや日本食レストランでは募金箱が設置されているほか、街頭募金も既に行われ成果を挙げている。
 最も気になるのが被災地域にいる家族や知人の安否。地震発生から数日経っても電話が不通で、その後も停電が続いている被災地区も多いため連絡をとることは難しい状況が続いている。Eメールで送った安否確認が、電気の復旧後に返事があり無事が確認されたほか、フェイスブックやツイッターなどのソーシャル・ネットワークが威力を発揮。「無事だよ」などの返答が何十、何百、何千の友人に送られ安心させた。
【永田潤、中村良子、吉田純子】
 
 
在LA日本国総領事館
在ロサンゼルス日本国総領事館は、地元米メディア各社からの取材要望に伊原純一総領事が対応している。一般市民からは義援金などの送付方法の問い合わせが多く、同館では国際的に信用できる機関として「赤十字社」を紹介している。
 また、日本滞在者の安否の確認を急ぐ家族や知人からの問い合わせも多いという。留学生やJETプログラム参加者などは、東京に事務所があり安否を確認できるウエブサイトや電話番号を教えている。
http://www.la.us.emb-japan.go.jp/web/home.htm
電話213・617・7000
 
 
南加日米協会
 南カリフォルニア日米協会(ダグラス・アーバー会長)は阪神大震災など過去の経験を生かし、すぐさま対応した。地震発生当日の11日、日系団体・日系アメリカ人団体と提携した救済基金を開設(義援金チェックの送付方法は別記)。クレジットカードを使ってウェブサイト(www.jas-socal.org)からもできる。
 アーバー会長は「東日本で発生した大地震・津波被災者にお悔やみ申し上げます。皆さまのご家族、ご友人の無事をお祈りします。南カリフォルニア日米協会の理事一同、みなさまに心からお見舞い申し上げます」と述べている。
 南加日米協会の問い合わせは、電話213・627・6217。
 
 
南加日系商工会議所基金
 南加日系商工会議所基金(半田俊夫会頭)は14日、日本で始動している救済復興作業に大量に不足する物資、医療活動、被災者保護活動などに少しでも役立つよう願い、救援人道支援の募金を開始。南加日系各団体およびアジア系商工会議所などに広く、協力を呼びかけている。
 半田会頭は、震災以来コミュニティーの多くの人から問い合わせの連絡が来ているといい、「ロサンゼルスにおける日系社会として、諸団体や人々と広く手を携え合同で一丸となって貢献したい」と語った。
 義援金は、ユニセフ・ロサンゼルスからユニセフ・ジャパンを通し、全額が被災地に送られる(義援金チェックの送付方法は別記)。締め切りは、4月30日。その他詳細および問い合わせは南加日商まで、電話213・626・3067。またはメール―
[email protected]
 
 
羅府新報社
 羅府新報社(マイケル駒井発行人)は、日商の同募金活動に全面協力を表明。同社オフィスでも、ユニセフ宛の寄付金を受け付けている。集まった義援金は日商に届けられ、ユニセフに送られる。同社は近日中に、第9区のジャン・ペリー市議と在ロサンゼルス総領事館と支援活動に関する話し合いを持つ予定。詳細はオフィスまで、電話213・629・2231。

 

日韓協会のキム・ホンソン代表(左)とトランペット奏者のユン・チョノさん


 
日韓協会
 日韓協会(キム・ホンソン代表) は14日、記者会見を開き、日本、韓国コミュニティーを対象に被災者への募金活動を行う旨を発表し、1人でも多くの人からの募金協力を呼び掛けた。
 キム代表は「米国における日韓両コミュニティーは、過去の移民史においても、互いに助け合ってきた歴史があり、その友好関係は今も生き続けており、地震および津波で被害を受けた日本の被災者を助けたい」との思いから、募金運動を開始。「集まった募金が被災者の救援に少しでも役立てばうれしい」と述べた。
 記者会見では在日韓国人でウエストロサンゼルス在住のトランペット奏者ユン・チョノさんが「故郷」を演奏。横浜市で生まれ、大学卒業まで日本で過ごしたというチョノさんは、韓国と日本が自身にとっても故郷だという。今後もチャリティーイベントを開き、救援活動をしていきたいと力を込めた。
 義援金チェックの送付方法は別記。現金の場合は[email protected] または電話714・465・2112まで。
 
 
南加県人会協議会
 加盟する41県人会を統括する南加県人会協議会(比嘉朝儀会長)は地震発生後、理事・役員メンバーに緊急連絡、24日に緊急理事会を開催する。比嘉会長は、「県人会協議会として、最大限の援助をするべく具体案を話し合う」と述べるとともに、すでに日商の半田会頭や南加庭園業連盟の原田フランク会長らと連絡を取り合い、ともに力を合わせて協力することを確認した。
 
 
盛んな文化交流
東北地方と日系社会

 東北地方各県と日系社会は文化交流が盛んである。宮城は七夕まつり、青森がねぶた祭り、福島は相馬野馬追などと、当地で伝統文化を紹介しており、関係諸団体が地元に連絡を試み安否の確認に追われた。
 
 
南加宮城県人会
 小東京防犯協会会長でLA七夕まつり実行委員長のブライアン鬼頭さんは、宮城県のとEメールで連絡を取り関係者の無事が確認できた。昨年5月に仙台から七夕飾りの制作指導に当たった鳴海屋紙商事の鳴海幸一郎さんと、同祭に大中の七夕飾り10個を寄贈した「白松がモナカ」社長の白松一郎さんによると、両社とも営業再開の見通しが立ったという。
 鬼頭さんは、七夕飾りに使う紙の供給が確認できたとし、今夏の七夕まつり開催の意志を示している。小東京防犯協会は赤十字社を通した義援金の口座を開設(義援金チェックの送付は別記)し、一口10ドル以上で、寄付金は百パーセント日本に送られる。
 宮城県人会の米澤義人会長は、まだ親族の全員と連絡は取れていないものの「七夕でお世話になった方が無事でよかった」と話し、今年で3回目の七夕まつり開催に意欲を示した。
 
 
南加青森県人会
 青森県人会会長の奈良・佳緒里・ターナーさんは「青森県だけでなく、被災したすべての人に対する救援活動に貢献していきたい」とし、南加日系商工会議所基金が開始した救援人道支援の募金活動にも、同県人会をあげて協力体制で臨みたいと訴えた。
 県人会のねぶた囃子保存会の楽器演奏を指導し、この祭りが縁で結ばれた青森市在住の三上勝司、香奈子さん夫妻とは連絡がとれたものの、現地との連絡は困難な状態が続いており、県人会メンバーも日本にいる家族や親戚の安否情報が依然分からないままだという。
 奈良さんは、16日に日本へ帰国予定であったが、4月1日に予定を急きょ変更。18日に同県人会のメンバーを集め、支援について話し合いの場を設けるなど、米国でできる限りの救援活動を行い、帰国後は講演会で被災者に「愛とエールを送りたい」としている。
 
 
南加福島県人会
 南相馬市など海岸沿いの地域で津波による被害が著しかった福島県の現状を受け、南加福島県人会の紙本マイク会長は、地震発生以来約200人の会員一人ひとりに連絡を取り、それぞれの親族の安否確認を行っている。同会では19日に緊急役員会議を開く予定で、今後の対策および会員親族の安否確認を続けていくと述べた。
 また、福島市内にある県庁には地震発生直後にメールを送信、日本時間14日に「(建物の被害などがあり)13日まで県庁に入ることができなかった。現在も非常に厳しい状態」とのメッセージを受け取ったという。紙本会長は、「今後は、県人会協議会などと協力し、できる限りのことをしたい」と述べた。
 また毎春、サンタアニタ競馬場で開かれる東京シティカップの記念イベントに参加していた福島県南相馬市からの相馬野間追は、26日に予定していた参加を取りやめた。イベント主催者は、相馬野間追ブースでは、被災者への募金運動に切り替える予定。

 

双葉町に3年間在住していたチョウさん(右)と福島市に3年間滞在していたボーバさん


 
「故郷」の惨事に悲しみ
福島県に在住した2人

 日本語を母国語としない参加者が日本各地の学校で英語などの指導にあたる「JETプログラム」で、福島県に3年間滞在したクリスティン・チョウさんと、ケリー・ボーバさんの2人は、「第2の故郷」である同県の友人や生徒の安否を気遣い不安な日々を過ごしている。
 水素爆発や放射性物質漏れが確認されている東京電力福島第一原発の隣にある双葉町に3年間、英語教師として在住していたチョウさんは、自身の後任教師とフェイスブックを通じ連絡が取れた。双葉高校の生徒全員の無事は確認されたものの、被爆を避けるため退避命令が出ており、街全体が不安に包まれているという。
 また、浪江町在住の友人とは連絡がつかず、親族を津波で失った友人も多くいるという。チョウさんは、「『故郷』の変わり果てた姿をみるのは本当につらい」といい、「双葉町に滞在した3年間、福島の人は私にとても良くしてくれた。現地に飛んでいって人助けができない自分に罪悪感を感じる」と述べた。
 また、福島市に3年間在住していたボーバさんは、メールやフェイスブックで友人らの安否を確認している。フェイスブックでは、JETプログラムで福島県や東北地方に勤務経験のある参加者らによる支援グループができ上がっており、日々情報を交換、現状把握および今後の支援対策などを話し合っている。「被災された方々のことを思うと、胸が引き裂かれそうになる。彼らには、みんなが応援していることを知ってもらいたい」と述べた。
 
  
▽各団体への寄付のチェックの送付は以下の通り。寄付金は、所得控除対象となる。
 
南加日系商工会議所基金
チェックの宛先を「U.S. Fund for UNICEF」とし、メモの欄に「Japan Disaster Fund」と記入し日商へ郵送。住所は—
Japanese Chamber of Commerce Foundation
244 S. San Pedro St., #504
Los Angeles, CA 90012
 
羅府新報社
チェックの記入法は日商と同じく、郵送で羅府新報まで—
The Rafu Shimpo
c/o Japan Disaster Fund
138 Onizuka St.
Los Angeles, CA 90012
 
Japan America Society of Southern California
345 S. Figueroa Street, Suite M-1, Los Angeles, CA 90071
Checks can be made out to :
2011 Japan Earthquake Relief Fund
 
Little Tokyo Public Safety Association (Koban)
C/O Japan relief fund
307 E. First St. Los Angeles, Cl. 90012
Checks can be made out to :
American Red Cross/Japan Relief fund or LTPSA/Japan Relief fund
 
Japan Korea Society
募金方法はチェックの場合は宛名を「Japan Korea Society」とし、メモ欄に「日本地震募金」と明記し郵送する。
Japan Korea Society
17556 Van Buren St.
Huntington Beach, CA 92647 まで
クレジットカードの場合は日韓協会のウェブサイトwww.jksociety.orgで寄付が行える。
 
 
その他の東日本震災情報はこちら

 

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