福島出身の狩野さん―被災者救済で団体設立:「ヘルプジャパン」Tシャツで募金

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福島県南相馬市で、義理兄の母熊坂久子さん(右)と写真に写る狩野さん。後方の民家は津波で流されたと思われる

 東日本大震災で甚大な被害を受けた福島県相馬市出身のパサデナ在住、狩野多美子さんが、被災者救済、現地復興のための非営利団体「Reach Out To Japan」を設立し、募金活動を始めた。活動の趣旨に賛同した仕事仲間が、日の丸に「救済」―「HELP JAPAN」とプリントしたオリジナルTシャツを制作・販売し、売り上げを義援金として寄付する協力を求めている。

Tシャツ募金の発案者のサーコスタさん

 Tシャツ募金の発案者は、音楽制作会社「ライブネーション」に勤めるかたわらアパレル業を営むケビン・サーコスタさん。Tシャツは主にネットで販売するほか、多くの音楽・映画関係者に勧めている。アーティストにも友人が多く、大物ロックバンドにも願い出て、コンサートでTシャツを着てもらう約束をしたという。
 狩野さんとサーコスタさんは、フェイスブックなどでも協力を呼び掛けている。「Reach Out To Japan」のホームのホームページは制作中で、近日中に公開される予定。
 日の丸「救済」のTシャツの価格は、送料込みで1枚20ドル。購入のウエブサイトは―
 cultivatechange.com/HELP_JAPAN.html
 狩野さんの連絡は―
 [email protected]

狩野さん「何かしたい」
支援得て短期間で進展

 東北・関東地方で11日に起こった東日本大震災。マグニチュード9・0という日本で観測史上最大の大地震とその後の大津波が…、ネットやテレビで凄まじい惨劇が映し出され、狩野さんは、生まれ故郷が破壊されていく様子にどう反応してよいか分からなかった。また、小さい頃に家族旅行で訪れた思い出の東北の町や村も壊滅状態。想像を絶するコンピューターグラフィックの映画の世界のようで信じられない。
 実家の両親とは連絡がつき無事が確認された。だが、親戚の1人が行方不明のままで、津波の被害に遭ったようで気になる。また、看護師をする義理の兄の母は原発のすぐそばの病院に勤務しており、被ばくが懸念される。
 渡米して14年になる。今仕事を休んで帰省したとしても交通は遮断されているので、助けに行くことができない。たとえ避難所に入れたとしても、何もできないだろう。とてもじれったい。それでは「この私に何ができるか?」。「遠くにいるので、何もできないよね」「何かしたいけど…」と、日本、アメリカ、ドイツ在住の友達がそう言った。
 しかし、狩野さんは「やる」と思い立った。まず、近所の人々に、母国と故郷の窮状を訴えた。「被害者の無力感」「ショックと絶望の心理状態」などと、訴えるうちに、「これだ!」と、思いがまとまった。
 一気呵成に書き上げ、一度しか会ったことのない有名なスクリーンライターに、ダメモトで頼んだ。「私の思いをまとめて書いて下さい!」。快く引き受けてくれた。そこからは、自分でも驚くほど話は進展した。
 地震発生の同日に非営利団体を作ろうと、すでに決めていて、弁護士に相談。団体名「Reach Out To Japan」と命名したのが15日。この短期間で狩野さんのようなごく普通の日本人をサポートしてくれた数多くの有志のおかげで今スタート地点にやっと立つことができた。
 「Reach Out To Japan」は短期のゴールのみならず、中・長期の目標を立てて活動する団体。他の多くの団体と協力し、同じゴールに向かって歩む。アメリカを中心に他の国々と日本の橋渡しすることをミッションとする。
 音楽療法士をする狩野さんは、「心のサポート」にも力を入れるのがこの団体の最大の特徴。今は、多くの被害者が、どうやってその日をしのぐかというのが現状。地震も毎日観測されている。一分一秒をどう乗り越えていくか? それを何日も何日も続けて行けば精神的にダメージを受け続ける。不安、トラウマ、うつ症状、他にも考えられる。そこで心理学者、精神病専門医、音楽療法士などにアドバイスを求め、精神的サポートを図っていきたい。一人では何もできないこともみんなの力を一体にすれば、大きな力となり多くの被災者を救う。
 
 
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