普段の交流と、助け合い

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 3月11日、東日本に発生した巨大地震は太平洋岸の湾岸各地に大津波を伴い、大災害をもたらした。
 膨れ上がった海水は防波堤や防潮堤を見る間に乗り越え、車や巨大な船、建物を押しつぶし逃げ惑う人々を飲み込みながら押し流してゆく。テレビに映る映像は世界の人々を愕然とさせた。
 今回の大震災の特徴は、大地震、大津波、原発事故、と広域で多様な災害が同時発生したことだ。通信網と交通網が断たれ救援が困難を極める中、自衛隊の素早い出動、各自治体の救援や被災者受け入れ支援、米軍の救援と立ち上がりは早く、世界各国・人々の救援・支援も世界的に広がった。
 このような非常時で一番大切なのは、政府の明確な情報源に基づく情報開示と素早く的確な判断・指示である。混乱の中でも先の見通しさえあれば人々は希望と生きる力が湧く。混乱の中で何が大切かを見極め、大胆な判断と現地への大幅な権限委譲が求められる。残念ながらこの面で首相のリーダーシップが見えてこない。そのためには普段からの非常時戦略の備えとリーダーの覚悟、国民を説得する説明がなければならない。
 人々の痛みのわかる地方自治体は、全国規模で独自の支援活動を始めている。大津波で壊滅した宮古には、品川区がいち早くさんま祭り協力のお返しにと小型発電機10台と支援物資を満載したトラック2台を送り出した。東京都は停滞する被災地自治業務の支援のために1000人の職員派遣を始めた。大地震で支援を受けた新潟県は県・県民を上げて支援と被災者受け入れに燃えている。現地ではどのような支援が必要かを身に沁みて知っているからだ。
 姉妹都市や非常時救援提携を国内で広げようという動きもある。
 普段から住民同士の交流があり、いざという時に相手の人たちの顔が浮かべば支援はもっと協力的になり効率のよいものになるだろう。
 政府に頼らず非常時にはお互いに助け合うという自治体意識も高まってきた。外国も含め、人々の「自分も何かしたい」という思いを届けるには普段の交流を大切にしたい。【若尾龍彦】

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