米国赤十字社への不信感

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 3月11日に東北を襲った大震災…再び、こう書き出さねばならない。
 近年のハイテクノロジーにより、ニュースは驚くべき速さで世界を巡り、日本を襲った地震や津波の被災者に対して並々ならぬ同情が寄せられ、世界各地で「日本を助けよう」と募金活動が始まった。
 問題はその義援金がどのような経路でどの程度被災者に届けられるか、である。
 シカゴの勤務先の管理職は即日、迷うことなく米国赤十字社経由で国際赤十字社宛に送金することを決定したが、集められた義援金の9%はボランティアを被災地に送ったり、その他の管理経費として差し引かれ、残額が日本赤十字社の口座に振り込まれるという説明をうけた。
 ところが寄付金は米国赤十字社を通すということを伝えた途端に、「米国赤十字社以外の団体を希望するので…」と寄付を拒む人が一人や二人ではなかった。過去において、基金が管理職のボーナスやバケーションの費用に使われたスキャンダルを人々は忘れておらず、多くの市民が同社の経営管理に不信感を抱いていることがわかる。そして在郷軍人など軍隊経験のある人々に米国赤十字社への拒絶反応が多いのはどういうわけだろう。
 1864年、戦場の傷病兵を敵味方無く看護する目的で設立された赤十字社は世界平和の護符、水戸黄門の葵の御紋だと思っていたのだが…。
 その上、友人が米国赤十字社のサイトで、災害地に送られる義援金に枠を定めて、一定額を超えた時点で寄付金が同社の備蓄金となり、次の災害のための備えとなる、という一項を見つけて連絡をくれた。
 「私たちは日本を助けたくて募金活動を続けているのに、一定額を超えたらその後はすべて備蓄金になるのは納得がいかない」と彼女は憤まんやる方ない。確かハイチの災害に寄せられた寄付金は三分の一が被災地に送られたが、残りはどうなったのかはっきりしないという。
 手元に届けられた小切手を目の前にして、「果たしてこの善意が無事被災者に届き、復興の助けになるのだろうか」と不信感が生まれ、いささかもやもやした気持ちで募金活動を続けている。【川口加代子】

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