草月流ロサンゼルス支部が創立25周年、川名哲紀氏が華麗に実演

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創立25周年を迎えた草月ロサンゼルス支部の会員ら


創立25周年を祝い乾杯する草月ロサンゼルス支部の会員ら


 いけばな草月流のロサンゼルス支部(荒尾玉泉支部長)は9日、支部創立25周年の記念式典をロサンゼルス・ダウンタウンのオムニホテルで催した。式典では、草月東京本部講師でニューヨーク在住の川名哲紀氏が約270人を前に、草月流の自由で個性的ないけばなを華麗に実演した。
 「いつでも、どこでも、誰にでも、そしてどんな素材を使っても生けられる花」をモットーに、個性を尊重した自由な表現を求められる草月流。ロサンゼルスにおける歴史は、1959年に田中りほさんが当地でワークショップを開き、同年、生徒とともにカーソンのダットソンホールで盛大な展示会を開いたことに始まる。
 72年には初代家元勅使河原蒼風氏が、また84年には3代目家元宏氏がロサンゼルスを訪れ、85年に日本の本部が正式に北米地区の一つとしてロサンゼルス支部を設立。翌86年、小東京のホテルニューオータニ(当時)で支部発会式を催した。
 以来、南加で数々の展示会を開催するとともに、地元コミュニティーに根付いた活動を続け、南加におけるいけばなの普及に大きく寄与。現在では、日本人や日系人に限らず、さまざまな人種の生徒に指導を続ける。
 創立25周年を迎え、荒尾支部長は、15年前に当時の支部長、武市玉春さんが「土台作りはできました。やがて苗木が生長して大輪の花が咲きますよう努力し続ける覚悟です」とあいさつしたことを受け、「25年が経ち、やっと小さな花が咲いたのでは」と述べ、各流派やコミュニティー、また会員らに感謝の言葉を述べた。

伊原総領事に義援金を手渡す荒尾玉泉支部長(中央)


 荒尾支部長はまた、3月11日の東日本大震災発生を受け、祝賀会の開催を中止する声も上がったと話した。しかし、「中止にして何もしないよりも、開催して日本へ支援を送る方がいい」との強い声が若い会員を中心に上がり、この日の開催に至ったという。当日会場の受け付けには募金箱が設置された他、草月ロサンゼルス支部と各会員からの寄付、また祝賀会の収益の一部を合わせ義援金とし、在ロサンゼルス総領事館の伊原純一総領事に手渡した。
 アイリーン・クラハシさんの司会の下催された祝賀会には、加州からのみならず、シアトル、テキサス、ペンシルベニア、東京、ノルウェーなど遠方からも大勢が駆けつけ、ロサンゼルス支部の25年を振り返り、その歴史を盛大に祝した。
 伊原総領事は祝辞の中で、「草月ロサンゼルス支部の皆さんは、長年にわたり芸術を通じた人と人をつなげる友好関係を米国で築き上げてきた」とその功績を称え、東日本大震災後に日本が多くの国やコミュニティーから支援を得ることができたのは、海外でこのような草の根的な活動があったからこそだと述べ、会員に感謝した。
 また、草月の勅使河原季里・北米理事長は、「東日本大震災をともに乗り越えていきましょう」とさらなる団結と調和を呼びかけ、ラカニャダ・フリントリッジにある「デスカンソーガーデン」のデービット・ブラウン理事長が祝辞の後に乾杯の音頭を取った。

草月流のいけばなを華麗に披露する草月東京本部講師、川名哲紀氏


 祝賀会の目玉となったのは、草月東京本部講師でニューヨーク在住の川名哲紀氏による実演。川名氏は、アシスタントに北島蓉幸・元ロサンゼルス支部長や井上由美子さん、山形玲峰さんらを迎え、「デスカンソーガーデン」から寄付された新鮮なツバキ、紅すもも、タイサンボク、野ばらなどを使い、テンポよく次から次へ13種類に及ぶ草月流のいけばなを華麗に披露した。最後には、ステージ上に置かれた幅20フィート、高さ8フィート、奥行き6フィートの大作に取りかかり、そのスケールの大きさで会場を圧倒させた。
 ロサンゼルス支部は、2014年に開催される「北米草月セミナー」の主催が正式決定している。勅使河原茜家元をはじめ世界中の会員が一同に集まるセミナーとあり、支部会員らは「会員全員で団結し、しっかりと役目を果たしたい」と意欲を新たにした。
【中村良子、写真も】

草月流のいけばなを華麗に披露する草月東京本部講師、川名哲紀氏

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