運輸省FAA:空港管制官の相次ぐ居眠り、勤務体制見直しへ

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 連邦航空局(FAA)は16日、深夜勤務に就いていたフロリダ州マイアミの航空交通管制センターの管制官が居眠りしていたとして、停職処分にしたと発表した。不祥事が相次ぐなか、ラフード運輸長官は17日、FOXニュースのインタビューで、「管制官の居眠りに激怒している」と述べ、航空管制官の勤務体制を3日以内に見直すことを明らかにした。
 この管制官は同日未明、指示を出していた離陸後の航空機が巡航高度に達した後、居眠りを始めた。パイロットとの交信に問題はなく、運航への影響もなかった。当時管制室には計12人の管制官と管理職2人がおり、同僚の管制官が居眠りに気付いたという。
 これまで、管制官が勤務終了から次の勤務に入るまでの間隔は最低8時間と定められていたが、今後は9時間以上とするほか、早朝や夜間の職場責任者の数を増やす。
 現在の規則では勤務中はもちろん、休憩中の仮眠も禁止されている。一連の管制官の居眠りは、過労が一因とされており、ワシントン州立大学で睡眠学を専門とするグレゴリー・ベレンキー教授は「勤務中でも仮眠時間を設けるべきであり、そうすることで、夜間の勤務にも問題なく対応できるようになる」と、これまでの規制は時代遅れだと訴えた。
 フランスやカナダ、オーストラリアではすでに休憩時間の仮眠が許されており、日本やドイツでは、簡易ベッド付きの仮眠室も設置され、夜間勤務の管制官の疲労対策が整えられている。
 FAAと、NASAの協力を得て組織された管制官組合も、日中の勤務でも20から30分の睡眠休憩を確保することが、効果的な勤務体制であるとの見解を示している。
 睡眠研究の専門家は、管制官の昼夜逆転の不規則なシフトは、睡眠サイクルのバランスを崩していると警戒する。疲労はアルコールと同じように判断力を鈍らせ、反応時間が遅くなるなど、人間の行動に影響を与える。また疲労を感じると、差し迫った問題が起きた時の対処能力も低下し、深夜勤務やシフト制で働く人にはシフト作業睡眠障害(SWSD)も多くみられるという。
 こうした作業従事者の疲労が原因とみられる飛行機、電車、バス、大型トラック事故は、過去15年間で39件に及び、1000人以上が死傷している。
 一方、勤務中の管制官に計画的に仮眠を取らせるかどうか問われたラフード長官は「給与をもらって仮眠することは許さない」と述べ、認めない考えを示した。
 管制官の勤務中の居眠りは今年7件目。3月には、首都ワシントン近郊のロナルド・レーガン空港の管制官が居眠りしていたため、旅客機2機が自力での着陸を余儀なくされる事件が起きた。テキサス州でも同月、管制官が居眠りで停職処分になっていた。4月に入ってからは、ネバタ州のリノ・タホ国際空港とワシントン州のシアトルでも管制官の居眠りが発覚した。こうした事態を受け14日、FAAの管制監督責任者クラコウスキ氏が辞任に追い込まれた。
FAAのバビット局長は「プロ意識を欠いた行為は、安全を守るわれわれの能力が疑問視される原因になっている」として、「航空管制の運用について徹底的な検証を行っている」としている。  

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