6州とDC、ガソリン価格4ドル超:オバマ大統領、投機筋を非難

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 20日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米原油在庫の予想外の取り崩しを受けて上げ幅を一段と拡大した。午前10時50分現在、米国産標準油種WTIの中心限月6月物は前日終値比1・95ドル高の1バレル=110・23ドルを記録し、全米各地のガソリン小売り価格をさらに押し上げる勢いだ。
 全米自動車協会(AAA、通称トリプルA)によると、ニューヨーク、アラスカ、カリフォルニア、コネチカット、ハワイ、イリノイの6州と首都ワシントンで平均ガソリン小売り価格が1ガロン4ドルの大台を超え、価格高騰の勢いは広がりをみせている。
 全米でもっとも平均価格が高くなっているのはハワイ州で、4ドル48セント。2008年8月に記録した同州の最高値4ドル11セントを上回った。1ガロン平均4ドル以下の州でも、ミシガン州の3ドル95セント、ネバタ州の3ドル94セント、次いでワシントン州、ウィスコンシン州と3ドル台後半が続く。最もガソリンが安い州はワイオミング州で、平均3ドル54セントとなっている。
 20日現在の全米平均ガソリン価格は、前月比29セント高の3ドル83セントで、26日連続で上がっている。昨年のレーバー・デーから原油卸売り価格は48%、米国のガソリン小売り価格は42%上昇している。
 これから夏の行楽シーズンを迎え、車を利用する人も増えるなか、政府は、ガソリン価格は今後さらに上昇すると予測している。また、先週サンタモニカでは1ガロン5ドル69セントのガソリンスタンドも現れた。トリプルAによると、南カリフォルニア地区では、運転中にガス欠を起こし、救援を要請する電話件数が前月から12・9%増えたという。ガソリン価格高騰の影響を受け、ガス欠ぎりぎりまで購入を控える運転者が増加しているためと指摘している。
 こうした事態を受け、石油輸出国機構(OPEC)は18日、必要に応じて生産量を1日あたり2億バレル増やすことも検討していると発表した。
 ガソリン価格の高騰は、中東情勢の悪化を予想する投資家が、先物取り引き市場で原油価格のつり上げを行っていることが原因とみられており、オバマ大統領は19日、バージニア州で行った対話集会で、原油の供給不足が価格引き上げの原因ではないとし、「投機筋が市場でさまざまな賭けごとをやっているのが問題だ」と非難。不正な投機が行われていないか調査中であることを明らかにした。
 原油高をめぐっては、国際エネルギー機関(IEA)などは、中東産油国の政情不安や新興国の経済成長による供給逼迫(ひっぱく)が要因と指摘している。ただ、消費者の間では高騰を続けるガソリン価格に対する不満が高まっており、大統領の発言からは不満のはけ口を「投機筋」に向けようという狙いも透けて見える。
 オバマ大統領は「(国民が)苦労して稼いだ金で、石油会社が史上最高の利潤を上げているのを、ただ眺めるのは非常に不快なことだ」とも指摘。最近はビジネス界との関係修復に乗り出していたオバマ氏だが、来年の大統領選をにらみ、発言は選挙モードに入ってきたようだ。 

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