南加の高橋さん:義援金携え故郷石巻へ―応援ソング「こんな時だからこそ」で復興支援  

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壊滅的な被害を受けた高橋さんの故郷石巻。春が訪れ、復興へ希望を与える桜がきれいに咲いた

 東日本大震災で甚大な被害が出た宮城県石巻市出身でランチョクカマンガ在住のエディー高橋さんが、知人らから募った義援金約5000ドルを携え今月、帰郷し同市と家族、旧友らに贈った。久しぶりに目にした故郷はかつての面影はなく、無残な光景が広がるばかり。気持ちが暗くなった。だが、復興に向け懸命に生きる被災者は明るく、逆に励まされ、米国に戻った高橋さんは気持ちを新たにし、趣味の歌とギター演奏を駆使して、チャリティーの応援ソング「こんな時だからこそ」を作詞作曲。故郷の思いのたけを歌に託し、復興を支援し続ける。

無残、津波のつめ痕
「アメリカで何ができるか」

 大地震の後に心配されるのは津波。石巻は海に隣接し大きな河口もある。とっさに頭の中に最悪の事態が駆け巡った。姉が波にのまれることを何度思い浮かべたか分からない。しかし、それから4日目に仙台に住む姉と家族の生存を確認できてよかった。

石巻市庁舎を訪れて企画部秘書広報課の和泉博章さん(左)に義援金を手渡す高橋さん(中央)

 毎日、テレビにかじりつきニュースを見ていた時、仙台の避難所からの生中継でいきなり姉とその息子がアップで映し出され 元気な姿を見せてくれたのだ。うれしさのあまり、気がつけばボロボロ涙で一杯だった。「ここアメリカから何ができるか」「いや何かせねば」と、考えるようになった。
 そこで、ビジネスでウェブサイトを運営する利点を生かし、全米の顧客と知人にEメールを約1500通出して義援金を募った。10日ほどで約60人から5000ドルほどの寄付金が集まった。胸が熱くなる思いをした。勇気を出して行動に移してよかった。
 さらに、30年以上も前に離れた故郷に何度も思いを馳せると、

作詞作曲した応援ソング「こんな時だからこそ」を披露する高橋さん

自然に頭の中に歌詞が浮かんだ。心の赴くままに曲を完成させたのが被災者応援ソング「こんな時だからこそ(英語名 TSUNAMI QUAKE SONG 311)」。曲作りなどはしたことがなかったが、何かに導かれるようにスムーズに曲が生まれ、ビックリしている。アイチューン、アマゾン、ナップスターを使って1・99ドルでダウンロード(www.cdbaby.com/cd/eddietakahashi)でき、売り上げは義援金となるので、ぜひ聴いてほしい。
 歌を21日にマービスタのファーマーズマーケットで初披露し、初めて何百人の前で歌った。「こんな時だからこそ」と団結を呼び掛け、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と被災者を励まし、頑張って歌った。大勢の前で初めて勇気を出して歌うことができたのは、日本と故郷の再建を切に願う表れだろう。
 
 
 
底抜けに明るい被災者
これが「東北パワー」

 日本に帰国し友人と合流して、3人で石巻に向かった。地割れを修復したばかりの東北自動車道を通り石巻市境界に入ったとたん、弾んでいた会話が突然止まった。この瞬間から今まで見たことのない、言葉では表わせない現実が何十キロも連なった。

被災地で高橋さん(左から2人目)の活動を手伝ってくれた旧友たち

 鉄筋コンクリート以外の家屋は、津波が直撃してコナゴナに。あたかもシュレッダーで粉々にした有様だった。車なども石巻で約2万台破壊され、どんな交通事故でもここまで破壊されることはないだろうというほどの惨劇だった。報道によると、1立方メートルあたり50トンという水圧がこの現実を作ったとし、そのことを思い出し想像を絶する破壊力に驚いた。
 悲惨な光景に感傷的になっていた自分たちを驚かせたのは、被災地の人々の底抜けに明るい笑顔だった。石巻滞在中は、どこを歩いても下を向いている人を見た記憶がないほどエネルギーに満ち溢れ「さすが日本人。日出ずる国の大和の国の民。これが『東北パワーだ』」と喜びが溢れ出した。
 「絶対立ち直る」―それしかないのだから。被災者のこの決意に、慰めるつもりが、逆に慰められる場面が多かった。「大丈夫、大丈夫、皆がそばにいれば」。自分の作った歌にあるように、たくましく生きる同郷人の姿を見ることができて安心した。元気をたくさんもらった。

津波の恐怖、後世へ
慈善イベントで協力

 多くの冠水だけの被害で済んだ家屋を見て回って感じたのは、あのマグニチュード9の激震でも住宅はしっかりと耐えたということ。あんなふすまと障子だらけの竹ひごのような木造の家屋でも、地震そのもので命を落とすことはまずない、と考えられる。それより何より怖いのは津波。国と地方が復興政策を進めながら、津波の被害を最小限に抑える都市計画をしっかりして、津波の恐ろしさを後世にずっと伝えなければならないと思う。
 これからは、被災者救援のチャリティーイベントに参加し、ともに力を合わせて復興を支援したい。そこで、自分の歌を披露することができればうれしい。
 高橋さんへの連絡は、電話626・818・4329。メール―
 [email protected]

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