国勢調査:アジア系増加率最大、6人に1人がヒスパニック系

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 商務省国勢調査局は、2010年の国勢調査に基づく過去10年間における人種別の人口増加率を発表した。ヒスパニック(中南米系)の人口が急激に増え、全米人口の6人に1人がヒスパニック系となり、およそ5000万人に達している。
 また国勢調査局が13日発表した統計によると、アジア・太平洋諸島系の人口も急増し、2000年の前回調査から43・3%増の約1467万人となり、人種別では最大の伸び率を記録。全人口に占める比率では3・6%から4・8%に上昇し、じわり勢力を拡大している。
 ロサンゼルス市において、アジア・太平洋諸島系が占める割合は11・4%と、ヒスパニック系(44・5%)、白人(32・9%)に次いで、3番目に大きなコミュニティーとなっている。同市のアジア・太平洋諸島系で選挙登録している有権者数は全体の8%に当たる11万2305人。市職員の15%はアジア・太平洋諸島系だという。
 さらに、全米でアジア・太平洋諸島系の事業経営者数は白人に次いで2番目に多く、300万人近い従業員を雇用し、年間およそ840億ドルの給与を支給している。今後、政治やビジネス、芸術など幅広い分野で、アジア系の影響力拡大が予想される。
 全米の白人人口の割合は、前回の69%から約64%に低下したものの依然として最も多い。しかし、伸び率は5・7%にとどまっている。
 黒人およびアフリカ系アメリカ人は12・3%の伸び率だったが、デトロイトやシカゴ、ニューヨークなどの都市の郊外では変化は見られず、ミシガンとイリノイ州では初めて黒人の人口が減少した。
 ヒスパニック系の人口増加が顕著だったのはアラバマ、ルイジアナ、ノースカロライナ、ノースルイジアナなどの南部諸州で、これらの地域では住宅市場の成長期に多くの移民が移り住んだことが影響したとみられている。
 また今回の調査では、前回に比べ32%増のおよそ900万人以上が、2種以上の人種に属していると答え、多人種同士の結婚が増えていることがうかがえる。
 「多人種」と回答した人は主にカリフォルニア、テキサス、ニューヨーク、ハワイ州に多く、白人とアメリカンインディアンやアラスカ系の血を受け継ぐ人や、白人と黒人との間に生まれた人などで全体の2・9%を占め、少しずつではあるが増加の傾向にある。オバマ大統領はカンザス州出身の白人の母と、ケニア出身の黒人の父との間に生まれたが、自身は調査で黒人と答えている。オバマ氏のように実際は混血でも、一つの人種を選択した人は「多人種」の数字には含まれていない。
 過去10年間で、人口増加の約9割はマイノリティー(少数派の人種)が占め、さらに増加の傾向にあることから、2050年ごろまでにはマイノリティーが多数派に変わるだろうと専門家は予測している。
 ミシシッピ、ジョージア、メリーランド、フロリダ、アリゾナ、ネバタ、テキサス、カリフォルニア、ニューメキシコ、ハワイの10州では、すでに児童人口のおよそ50%をマイノリティーが占めている。
 選挙区の見直しは人口をもとに行われるため、人種別の人口統計は選挙戦にも大きく影響する。今回の統計をもとに新たに区分けされる選挙区は2012年の選挙に反映されることになる。
 南部と西部の多くの州は、テキサスやフロリダ州に代表されるように、共和党が優位を占めている。しかし今やそれらの地域でも、民主党支持派が多いマイノリティーが人口の多数を占めていることから、国勢調査の結果は民主党にとって支持基盤を確立する後押しになる形となった。 

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